世界初のコンパクトサイズベースシンセサイザー
SYB-3は、BOSSのベース用コンパクトエフェクター初のデジタル機にして、世界初のコンパクトサイズのベースシンセサイザーです。
ながらBOSSの高い技術力をあますところなく詰め込んであり、タッチワウのUPモード・DOWNモード含め全11種類ものサウンドモードを搭載。
それぞれ魅力的な変態サウンドが飛び出してきます。
ちなみに、なぜSYB-2がないのかは管理人にも不明です。SYB-1がないのは「他のエフェクターの数字が進んでいて、古そうに見えてしまうから」という慣例に則っているのでいいにしても、なぜSYB-2はないのか……
情報お待ち申し上げます。
多彩なベースシンセサウンドとモード
SYB-3は三角波、方形波だけでなく、パルス・ワイズ・モジュレーションモードも搭載。
パルス・ワイズ・モジュレーションとは、方形波に変調をかけることでフェイザーやフランジャーに似た音の厚みと広がりを得られるモジュレーション系のモード。
また、ベースの信号を直接加工してシンセサウンドに仕上げるWave Shape Mode(ウェーブシェイプモード)に加え、タッチワウ機能も搭載。
この頃のBOSSコンパクトエフェクターの詰め込み感、やっぱり半端ないですね…
11ある内のいくつかは三角波+ノイズ、1オクターブ下の三角波など、音のバリエーションになっています。
そしてモードのバリエーションの内二つを占めているタッチワウ機能は後継機種SYB-5には引き継がれていません。
ホールド機能とステレオ出力
SYB-3をご紹介するにあたってはホールド機能とステレオ出力も欠かせませんね。
ホールド機能はペダルを踏んでいる間シンセ音が出続ける機能。
一度シンセ音を出した後ペダルを踏みっぱなしにすることで、そのシンセ音をずっと固定して出すことができます。
これによって、ルート音を出しっぱなしにしながら別のフレーズを弾くなんて多重奏っぽい演奏も可能に。
また、OUTPUT AとOUTPUT Bの両方を使ってステレオ出力にすることで、シンセ音と原音を分けて出すことも可能です。
あまり売れなかったベースシンセサイザー
本機SYB-3、残念ながら発売当時ベーシストにシンセサウンドはあまり馴染みがなかったのであってかあまり売れなかった模様。
BOSS社内でSYB-3のギター版を出してはどうか、なんて意見もあったそうですが、出ていないところを見ると却下されたのでしょう。
もとより母体のRolandがギターシンセシステムを作ってるから、わざわざBOSSがコンパクトエフェクター化する必要性を見いだせなかったのかな。
SYB-3 Bass Synthesizerレビュー・総評
当時のBOSS特有の詰め込み過ぎ感は若干ありますが、世界初のデジタルシンセサイザーのコンパクトエフェクターとはなかなか画期的。
ピッチ検出が優秀なおかげか遅延も目立たないし、ベースシンセペダルとしてはなかなかのものかと。
しかし一つ残念なのは、視認性の悪さでしょうか。
小さいツマミを使うコントロールパネル部分に敷くパネルが、何故か銀色。
しかも本体のカラーリングは銀ラメ。その上にちまちま書かれた赤い文字。
み、見にくい。
タッチワウ機能はなくなってしまいましたが、後継機種のSYB-5が音質も向上しておりベースシンセサイザーとしてより優秀に。
しかもちゃんとコントロールパネルに黒いプレートがあって、視認性の問題もクリアされています。
率直なところ、コレクションする目的以外で今更本機SYB-3を入手するのはあまり意味がないでしょう。
なお、ベースシンセサイザーは後続のSYB-5も含め他のBOSSコンに比べ売価が高いため、中古でも若干高い傾向があります。
販売期間・スペック・仕様
- 販売期間
- 1996年8月~2004年7月
- 製造国
- 台湾製
- コントロール
- EFFECT、DIRECT、FREQ、DECAY、SENS、RES、MODE
- MODE
- INTERNAL SOUND、W SHAPE、T-WAH
- 接続端子
- INPUT、OUTPUT【A】、OUTPUT【B】、ACアダプター
- 消費電流
- 80mA
- 対応アダプター
- ACA-100