BOSSコンパクトベースシンセペダル SYB-5とSYB-3の各モード解説
BOSSベースシンセサイザーの現行機種SYB-5と前身機種のSYB-3の違いがよくわからん、って方も多いかと思います。
機能面でもいろいろな変更があり、ピッチ検出のスピード・精度ではSYB-5の方が優れていますが、SYB-5とSYB-3とではモードの設定が結構大きく変わっており、サウンドバリエーションにかなり違いがあります。
今回はSYB-3とSYB-5のモードに焦点を当てて解説します。
SYB-3の各モード解説
- モード1:のこぎり波
- モード2:方形波
- モード3:パルス・ワイズ・モジュレーション
- モード4:1オクターブ下ののこぎり波
- モード5:のこぎり派+ノイズ
- モード6:パルス・ワイズ・モジュレーション+ノイズ
- モード7:1オクターブ下ののこぎり波+ノイズ
- モード8:ウェーブシェイプモード Up
- モード9:ウェーブシェイプモード Down
- モード10:タッチワウモード Up
- モード11:タッチワウモード Down
各モードについて軽く説明。
方形波は四角い信号が続く波形で、のこぎり波に対し比較的丸みのある柔らかい音が特徴です。
パルス・ワイズ・モジュレーションは方形波に変調をかけたモジュレーション系のエフェクターに近い音になります。
モード1からモード7まではこれら3つのサウンドにノイズを加えたり、1オクターブ低い音を出すバリエーションモード。
ノイズは雰囲気のあるローファイな独特なサウンドに仕上げるもので、不快な音という意味でのノイズが入るわけではありません。
モード8と9はベースの音を直接加工し、ベースシンセサイザーの音にするWave Shape Mode(ウェーブシェイプモード)。
UpかDownかで、フィルターのカットオフ周波数が上に動くか下に動くかが決まります。
タッチワウモードはその名の通りタッチワウ(オートワウ)機能。
UpとDownはウェーブシェイプモードと同じくカットオフ周波数が上に動くか下に動くかの違いが出ます。
SYB-5の各モードのサウンド解説
- モード1:のこぎり波
- モード2:のこぎり波(1オクターブ下)
- モード3;のこぎり波(フィルター周波数オート)
- モード4:方形波
- モード5:方形波(1オクターブ下)
- モード6:方形波(フィルター周波数オート)
- モード7:パルスウェーブ
- モード8:パルスウェーブ(オールパスフィルター)
- モード9:パルス・ワイズ・モジュレーション
- モード10:ウェーブシェイプモード Up
- モード11:ウェーブシェイプモード Down
ご覧の通り、SYB-3と比べモードの並びに規則性が出ました。
ノイズサウンドとT-Wahモードが廃止なった代わりに、パルスウェーブモードとオールパスフィルターを使ったパルスウェーブモードが追加されました。
内容がかぶってしまう部分はありますが、SYB-5の各モードのサウンド・特徴についても解説しておきます。SYB-5は似たものが多いので近いサウンド同士でまとめて。
モード1~3 のこぎり波
先述の通り、のこぎり波は全体的にエッジの効いたキレのある尖ったサウンドが特徴のベースシンセサウンドです。
モード1が通常ののこぎり波のサウンドで、モード2はそのオクターブ下でエフェクトがかかるように。
また、モード3ではフィルターがかかる周波数がオートに変化し、トリッキーな印象になるのが特徴です。
このモード3の時とモード6の時のみ、DECAY / RATEツマミがRATEツマミとして働きます。
モード4~6 方形波
方形波はのこぎり波に比べ柔らかいサウンドになる特徴があります。
モード4が通常の方形波で、モード5はフィルターの周波数がオクターブ下に。モード6はフィルター周波数がオートで変化する方形波サウンド。
全体的に三角波と対になるモード構成ですね。
先述の通り、このモード6と3の時はDECAY / RATEツマミがRATEツマミとして働きます。
モード7~9パルス信号
モード7~9は三角波を基に作られるパルス信号の波形で、のこぎり波とはまた違ったエッジの効いたサウンドが特徴的。
1~6までとはまた違うバリエーション体系を持っています。
モード7はシンプルパルス信号で、モード8や9に比べるとクセが少ないと言えるでしょう。モード8はオール・パス・フィルターがかかったパルス波が。
SYB-3ではパルス系のサウンド・ワイズ・モジュレーションのみでしたが、パルス系のサウンドは2種増えています。
ちなみに、たまぁ~に間違えて覚えている方がいらっしゃるのですが、バルスではありません。
パルス(Pulse)です。
目が、目がぁぁぁあああ!
モード10・11 ウェーブシェイプモード
SYB-3のウェーブシェイプモードと全く同じく、ベースの音を直接加工してベースシンセサイザーの音にするモードです。
10のUPは弾いた時にフィルターの周波数が高くなり、徐々に元の周波数に戻る。
11のDOWNは弾いた時にフィルターの周波数が低くなり、徐々に元の周波数に戻る。
この二つのバリエーションとなっています。
BOSSコンパクトベースシンセペダル SYB-3 / SYB-5のモードまとめ
SYB-5はノイズモードなどSYB-3にあったサウンドバリエーションがなくなっていることもあり、完全な上位互換とは言えません。
しかしさすがは後継機種、サウンド面やピッチ検出の遅延の改善、また新モードの搭載など全体的な使い勝手とサウンド・完成度は向上しています。
べースシンセに限ったことではありませんが、やはりデジタルの機種はどうしても後継機種に分がありますね。
どうしてもタッチワウやノイズサウンドがどうしても欲しいのでもなければ、あえて古いSYB-3を探すよりも、現行機種である本機SYB-5を使った方が良いでしょう。