新世代デジタルのXシリーズ ディストーションDS-1X
DS-1Xは2014年3月にXシリーズ第一弾としてOD-1X OverDriveと同時発売となったデジタルディストーションペダルです。
Xシリーズで初めて搭載されたメタリックのノブと、かっちょいい鏡面パネルがモダンで、今までのディストーションペダルとは一味違う印象。
しかしDS-1の名を冠しつつ銀ネジを採用した辺りはやはり初代DS-1を意識しているのでしょう。
実はモデル名がシンプルな Distortionのディストーションペダルは初代DS-1と本機DS-1Xのみ。それだけ本機DS-1Xへの思い入れと本機の度合いが伺えます。
Xシリーズ DS-1X Distortionのサウンド
本機DS-1X、DA-2 Adaptive Distortion や MO-2 Multi Overtone で採用された新型のデジタルモデリング技術MDPを搭載しています。
さすがデジタルだけあってビックリするほどノイズが少ない。
しかも1992年に生産完了したDZ-2 Digital Metalizer(デジタルメタライザー)に比べ不自然さがなくなっています。デジタル系の歪みにありがちな音が奥に引っ込んでて遠く感じるようなこもり感がない。
それでいてノイズレスなので、王道なのに新鮮なサウンドという不思議な感覚に陥ります。アンプから音出しているのにレコーディングされたCDのギターみたいな音だからこう、なんといえばいいか変わった音にも聴こえます。
ディストーションの音としてはすごく正統派なんですけど。メタル系のディストーションに比べ歪みの深さはありませんが、超ノイズレスディストーションとして運用可能です。
「 デジタルの歪みはなぁ… 」なんて管理人もよく言ってましたけど、そんなセリフがもはや野暮に感じるほど音質は向上しています。ノイズにめっぽう強いメリットはそのままで、 デジタル系の歪みエフェクター特有の音の引っ込んだ感じというかこもった感じは全然なく、音の追従性もあってダイナミック。
デジタルの歪みなんて、と思ってる方であればあるほど、買わなくてもいいから一度試してみて進化のほどを確かめてほしいんですよね。
楽器屋のお立ち寄りの際はぜひ。
BOSSコンパクトエフェクターの保証延長と外箱のデザイン変更
本機OD-1XとDS-1Xは外箱が黒くなってメーカー保証が1年から5年になった第一世代。その後2014年4月より、既存のペダルも順次黒箱&5年保証に切り替わっていきました。
管理人、BOSSコンはそれなりに色々持ったことがあると自負しているのですが、BOSSコンが1年で壊れることはめったにないため、1年保証なんて確かに無用。
でも、そもそも初期不良でもないと5年経ってもそうそう壊れないし、結局無用の長物な気は……なんて思ったり。
どちらにしても太っ腹なことではありますが、どちらかといえばBOSSの品質への自信の表れのようにも感じます。
DS-1XとDA-2
DS-1Xと語るにおいて欠かせないのでDA-2 Adaptive Distortion。
というのもDS-1XとDA-2ってかなり似ているんですよね。
実は同じくデジタルディストーションであるDA-2 Adaptive Distortionが、本機DS-1Xの発売の直後に廃番が決定。
DA-2の発売は2013年3月頃で、わずか1年ほどで廃番となったことに。
どちらもサウンド的には正統派のデジタルディストーションペダルで、各コントロールの名前は微妙に違えど同じくレベルにゲイン、ハイとローの2バンドイコライザー。
発売時期も1年しか違わず、DA-2で新デジタルモデリング技術MDPが発表されたばかりで、DS-1Xで急激に音が進化しているとも思えない。
しかし、デジタルペダルでの正統派オーバードライブとディストーションの企画であるXシリーズ決まり、キャラが完全にかぶってしまっていたDA-2の廃番が決まったものと思われます。
さすがに全く同じってことはないのでしょうが、やはりコンセプトが似ているので大きな差はでません。
DA-2が廃番になっている今、あえてDS-1XではなくDA-2を探すほどの差はないでしょう。
DS-1X Distortion レビュー・総評
上記でデジタル機であるDA-2とばかり比較していますが、もちろんDS-1などのアナログの歪み系ペダルとはかなり違いがあります。
デジタルとしてはかなりの進化がみられ、もう余裕で実戦で使えるレベル。
むしろ同じにする必要もないと思うんですよね。
もちろん今まではデジタルでアナログのサウンドをより自然に再現することを目標にしてきたかと思いますけど、ここまでくるともうアナログの音を目指す流れはナンセンスだと思うんですよね。
これだけ高品位なデジタルサウンドができるようになったのですから、デジタルはデジタルでしかできないサウンドを目指してほしいところ。
そうすればディストーションもデジタルディレイとアナログディレイのように、それぞれがよいところを持ってどちらも愛されるペダルになるんじゃないかと思います。
なんだかDS-1Xの総評というよりもデジタルの歪みの今後について語る場みたいになってしまいましたが、本機DS-1Xは本当に正統派のディストーションとしていいペダル。
デジタルの歪みサウンドの進化を確かめる意味でも、楽器屋で見かけた際はぜひ一度試奏してみてください。
販売期間・スペック・仕様
- 販売期間
- 2014年3月~現行品
- 製造国
- 台湾製
- コントロール
- LEVEL、LOW、HIGH、DIST
- 接続端子
- INPUT、OUTPUT、ACアダプター
- 消費電流
- 45mA
- 対応アダプター
- PSA-100