荒々しくワイルドな歪みが魅力のメタルディストーション
HM-3 HYPER Metalは、HM-2 Heavy Metalの後継機として登場したメタル系ディストーションです。
ネーミングはヘビーメタルからハイパーメタルに変更されていますが、機能上の変化は特に無し。
どうせなら何かハイパーな機能が欲しかったところですが…
HM-2とHM-3の間にMT-2 Metal ZoneとMZ-2 Digital Metalizerが登場しており、メタル系ディストーションとしては4機種目。
実を言えば海外合弁会社の意見により造られたもので、すでに発売され好調だったメタルゾーンとはまた違うサウンドキャラクターを持っています。
HM-3のサウンド
HM-3のサウンドはかなり粒が荒くワイルドなディストーションサウンドになっています。
ただ、深く歪ませてもノイズがそう目立たないのはさすがBOSS。
1991年に発売されたメタルゾーンがものすごい反響で、そのあおりを受けてか販売台数が落ちたHM-2の後継機種として登場した経緯もあり、HM-2よりもゲインは結構深め。
そのため、歪みの粒子の細かいMT-2とは正反対にかなり粒の粗いサウンドに仕上げられています。
ちょっと古いハードロックやヘビーメタル、いわゆるオールドスクール系のサウンドに最適なディストーションペダルといえるでしょう。
HM-3 ハイパーメタル レビュー・総評
腐ってもBOSSのディストーション、それなりには売れなくもなかったのですが、世間の評価はライバル機ともいえるMT-2 メタルゾーンの方に軍配が上がり、HM-3は発売から5年と少しで廃番に…
音楽シーンの移ろいの影響もあったと言えばあったのですが、やはりディストーションペダルとして超優秀なメタルゾーンと同時期にメタル系のディストーションとして出されても、勝ち目はありませんでした。
前身機種であるHM-2はなかなかヒットしていましたが、なにせメタルは進歩が速く、サウンドの流行り廃りの激しいジャンルですから。
その点、メタルゾーンは音作りの幅がかなり広いので、流行り廃りに影響されにくい部分があるんですよね。メタル系ディストーションのくせにむしろ普通のロックでも問題なく使えますから。
それに引き換え本機HM-3は粒が荒くワイルドな歪みでオールドスクール系のハードロックやヘビーメタルに特化したサウンド。
流行が過ぎて新しいサウンドが求められるようになったときに、対応できなくなってしまったのでしょう。
そんなわけで、今時のメタルサウンドを出すには本機HM-3ではちょっと無理があるんじゃないかと。全体的に野暮ったく感じてしまうかと思います。
ハイパーメタルなんてモデル名がもう時代を感じちゃいますし。反対に、こってりなオールドスクール系のサウンドが好きな人にはたまらないでしょう。
ハーレーダビッドソンにハードボイルドなトゲトゲとモヒカン……
ハードボイルドな世紀末ロッカーにDNAレベルで刻まれた、ザ・HR / HMサウンドを得られることでしょう。
販売期間・スペック・仕様
- 販売期間
- 1993年4月~1998年12月
- 製造国
- 台湾製
- コントロール
- LEVEL、COLOR MIX、LOW、HIGH、DIST
- 接続端子
- INPUT、OUTPUT、ACアダプター
- 消費電流
- 12mA
- 対応アダプター
- PSA-100