コンプ感の少ない自然な音色の新世代コンプレッサー
本機CS-3 Compression Sustainer はコンプサウンドを抑えより自然な音を実現したコンプレッサーです。
1986年に発売されながら2016年現在に至っても現行品として販売されているロングセラー。
新モデルが出る度にモデル名が変わりがちなBOSSコンパクトエフェクターシリーズにおいて、実はコンプレッサーだけはずっとモデル名は変更されていません。
初代のCS-1から現行品である本機CS-3に至るまで、すべてCompression Sustainerで統一されているというちょっとマニアックな特徴持ち。
自然で心地よいコンプレッション感を得られ、ベーシストのみならずカッティングを多用するギタリストにも広く愛される名コンプレッサーです。
パーツ事情でしょうがなく造られた?ニューモデル
CS-3は、前身機種であるCS-2の中核として採用されていたパーツ(VCA)が販売完了になったため仕方なく開発された経緯を持つニューモデルです。
VCAの販売完了がもっと遅かったら、CE-5 Chorus EnsembleやCH-1 Super Chorusのようにモデルチェンジなしでデジタル化されていたかもしれませんね。
(VCA自体遅延素子ほど代わりが効かないわけではないし、デジタル化はないかも。わからん)
基本的にはCS-2と同じニュアンスで開発を進めるコンセプトだったようですが、VCAの性能向上やあえて変更した部分があり、結果的に本機CS-3はニューモデルというにふさわしいポテンシャルを獲得しています。
CS-3のサウンドと特徴
本機CS-3は、前身機種に当たるCS-2よりも更にパコンパコン言わなくなっています。
その分コンプレッサーとしては非常にナチュラルなサウンドになっており、正当進化した感じ。
トーンコントロールが追加され、より自身の作りたいサウンドに合わせてきめ細かに馴染ませることができるようになり、総合的な使い勝手も向上しています。
ただし、あえて「 パコーン 」というコンプレッサーならではの音が欲しい方には物足りないかと。
作ろうと思えばセッティング次第でできないことはないでしょうが、やはりCS-1の頃ほどのインパクトあるコンプレッサーサウンドを出すのはちょっと難しいのは、長所でもあり短所でもあるといえるでしょう。
CS-3 コンプレッション・サスティナー レビュー・総評
前述の通り、本機CS-3はCS-1やCS-2など前身機種に比べかかりがナチュラルなコンプレッサーになっています。
パコンパコンサウンドが欲しいなら中古でCS-1やCS-2を探すか、MXRのダイナコンプあたりを使った方がいいでしょう。
そもそもコンプレッサーサウンドなんて言葉が存在すること自体がおかしな話なんですけどね…
忘れがちなんですが、本来コンプレッサーは音を変えるエフェクターではなく音の強弱を整えるエフェクターのはずなんですよ。
なので出音ではコンプレッサーがかかっているとはわからず、ただ演奏者だけが「 お、かかってるかかってる~ 」って思うくらいの陰の薄さちょうどいいエフェクターなんです。
(コンプレッサーがみんなそうだと今後は地味すぎて今みたいに愛されるエフェクターにはならなかったと思いますけど……)
本機CS-3はそういう意味で「 心地よいコンプ感は残しつつも本来のコンプレッサーとしての仕事 」をキッチリこなしていて、CS-1とはまた違った意味で名コンプレッサーといえるでしょう。
なお、本機CS-3は現在では台湾製で対応アダプターはPSA-100となっていますが、発売当初は日本製でした。
もちろん中古市場では前期の日本製の方が人気ですが、CS-3には対応アダプターがACA-100のものもあるので、中古を探す際には注意が必要です。
販売期間・スペック・仕様
- 販売期間
- 1986年9月~現行品
- 製造国
- 日本製・台湾製 両方あり
- コントロール
- LEVEL
- 接続端子
- INPUT、ACアダプター
- 消費電流
- 11mA
- 対応アダプター
- PSA-100・ACA-100 両方あり