SD-1 SUPER OverDrive(スーパーオーバードライブ)

SD-1 SUPER OverDrive(スーパーオーバードライブ)

OD-2よりもOD-2らしい?スーパーオーバードライブ SD-1

BOSS SD-1 SUPER OverDrive スーパーオーバードライブイラスト

名機OD-1の流れを汲むSD-1。

永遠の名機 OD-1 OverDriveの正当後継機種は、ナンバリング上ではOD-2 TURBO OverDriveです。

しかし、OD-2よりもOD-1の後継機種らしい特徴を持つのが本機SD-1 SUPER OverDiveです。

色はOD-1に比べちょっと明るい黄色なんですけどね。

なんせSD-1はOD-1そのままの回路にトーンを追加しただけのような構造で、BOSSのHP上でも「 OD-1直系、オーバードライブの原点機 」とされているくらい。

SD-1の方がOD-2よりも先に出てますし。

本機SD-1をOD-2にして、TURBO付きのOD-2を別の型番にした方が良かったのでは……なんて思ったりします。

ちなみに商品名に SUPER がついたのはスーパーオーバードライブが初です。

BOSSコンパクト史上、最も長い期間販売されている超ロングセラー

実はSD-1ってBOSSの中でも最長レベルのロングセラーなんですよね。

1981年に発売され現在も現行品のロングセラー品。(2015年7月現在)

今のところBOSSコンパクトエフェクターでは最も販売期間が長いとされています。

SD-1は同じく超ロングセラーのDS-1 DistortionとともにBOSSの長い歴史を見守ってきた機種とも言えます。

日本製SD-1と台湾製SD-1の違い?

made in japan SD-1 はんだ面とペダル底面

日本製SD-1のはんだ面と裏パネル

SD-1はBOSSの工場が日本国内から台湾へ移る前から今に渡って製作されており、そのため日本製、台湾製の両方が存在しています。

当然、日本製のSD-1の方が人気。

台湾工場で移る際に銀ネジから黒いサムスクリューに変わっていますが、こちらは銀ネジの方が人気があるのは言うまでもないでしょう。

※ただし、日本工場から台湾工場への移行時期には日本製でも黒ネジがつけられた個体もあり、日本製=全て銀ネジではない模様。

一度楽器屋でMADE IN JAPANの物をみかけ新品と弾き比べてみたのですが、確かに日本製の中古と台湾製の新品では音が違った…と思います。

日本製の方がもうちょっとローノイズで、少しゲインが深めの落ち着いた音だったように感じました(小並感)

ノイズが少なく感じたのはもしかしたらハイ側の音が落ちていたのかも?

一応、使用パーツがこまごまと変わったこと以外、回路設計や定数は初期から変化はないはずですが…

その違いは個々のパーツが持つ数値の誤差によるものなのか、経年変化によるものなのか、それとも巷で言われているように日本製の方が使っていたパーツや造りが良いためか…

SD-1のオペアンプは4558系

心臓部となるオペアンプはスタンダードに4558を使っています。

その4558もNEC4558CだったりJRC4558Dだったりと色々あり、昔のものと最近の物で音が違うのはその関係もあるのかもしれません。

made_in_japan_SD-1_JDR-4558D基盤

JRC4558D版SD-1の基板

初期にはオペアンプの上面がツルツルのものを使っていて、この頃の物が最も人気があります。いわゆるツヤ有りトップの4558ですね。

一度自作のSD-1のオペアンプを差し替えて遊んでみようと思ったこともありましたが、夢かなわず…

何せ今やツヤ有り4558自体がレア品としてプレミアがついちゃってますしおすし、めんどくさくなって諦めました。

もしお持ちのSD-1のICがツヤ有りの個体だったりしたらぜひお大事なすって、現行品と比べてみてください。

そして資料として写真くださいぜひよろしくお願いします神様仏様。

SD-1のサウンド

SD-1は現行のアナログオーバードライブであるOD-3 OverDrive や?BD-2 Blues Driver に比べ軽快で明るめの音色と言えるでしょう。

SD-1は明るくザクザクと硬め、OD-3がもっとも王道・スタンダードな音色で中庸タイプ、BD-2は若干暗めで落ち着いた音で、ゲイン深めのダークな歪みのサウンドキャラクターを持っています。

エフェクター本体の色味がキャラクターを表しているようにも思えます。

歪み量も上記のBD-2やOD-3に比べ軽めなので、カッティングで使いたい時やクランチ程度の軽い歪みサウンドを作りたい時に特に重宝しますね。

そして、BOSSのオーバードライブらしくブースターとしても優秀です。

回路がシンプルなお陰か、ピッキングニュアンスへの追従もまずまずで、BOSSの歪みにエフェクターにしてはギター本来のキャラクターを失いにくいのもGODD。

ブースターとしても優秀で、全体的に使い勝手の良いオーバードライブペダルです。

なお、構造上はOD-1にトーン回路をつけただけのようなものですが、トーン回路自体を切り離すことはできないためOD-1と全く同じ音を出すことはできません。

SD-1 SUPER OverDrive総評

made in japan SD-1 ペダル底面

日本製SD-1の実機筐体

深く深く歪ませるにはちょっと向きませんが、軽い歪みのナチュラルサウンドにはぴったりのオーバードライブです。

変なクセもないので初心者でも使いやすいですし、かと言って音をぶっ潰すようなエフェクターじゃないので上達してからも長く第一線で活躍してくれます。

もしエフェクター一つだけ使ってギター弾けって言われたら本機 SD-1 スーパーオーバードライブを選ぶでしょう。

色々なエフェクターも組み合わせて自由にセッティングしていい、といわれたらブルースドライバーと迷うところですが。

BOSSは歪み系のコンパクトエフェクターもデジタル化を進めており、ここのところ完全新作のオーバードライブは全てデジタルになっちゃってます。

デジタルはデジタルでいいんですけど、管理人個人的に、オーバードライブに関してはアナログであってほしい…

オーバードライブはもともと超アナログな素子である真空管の音を模したものなんですから。

そんな中、最も古いオーバードライブの現行品として奮闘中であるSD-1が廃番なんてことになったらかなりさみしいので、このまま頑張ってほしいところです。

ちなみに、SD-1はエフェクター自作の入門にもオススメです。

実はSD-1って回路上の定数が違うだけで、IBANEZのチューブスクリーマーもほぼ同じ回路だったり、歪み系としてはかなり王道の回路なんですよね。

歪みエフェクターの回路上の基礎が詰まってるし、単体でもブースターとしても使いまわしが効くので実用性も高く、結構いいですよ。

なお、SD-1が超ロングセラーという話を先ほどしておりますが、これは日本国内に限った時のお話。

詳しくは下記DS-1の記事で解説しています。

また、技クラフトシリーズとしてパワーアップしたSD-1Wについても記事化しました。

ぜひ、下記リンクより併せてご覧になってみてください。

 

※2015年11月17日追記 今回記事の画像はイラストを除き全てコメント欄の 神様仏様 さんよりご提供いただきました。本当にありがとうございました。お礼申し上げます。

BOSS
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販売期間・スペック・仕様

販売期間
1981年2月~現行
製造国
日本製・台湾製 両方あり
コントロール
LEVEL
接続端子
INPUT、ACアダプター
消費電流
6mA
対応アダプター
PSA-100・ACA-100 両方あり

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