新しいデジタルサンプリング技術MDPを採用したデジタルディストーション
本機DA-2 Adaptive Distotionは、Rolandのデジタルサンプリング技術MDPを搭載した初のディストーションペダルです。
TE-2 Tera EchoとMO-2 Multi Overtoneと同時発売。2013年1月に開催されたNAMMショーで発表され、それから1か月で発売とされました。
DA-2のサウンド
DA-2はBOSSらしい扱いやすくスタンダードなディストーションサウンドと、デジタルらしいローノイズが特徴。
デジタルっぽい艶っぽさというか、ああ、高品位なんだなぁ、って感じを出してくるのはさすが。
それでいてデジタル特有の音がこもるというか、奥に引っ込んだ感じが解消されていてとても扱いやすい。
ついにデジタルの音もここまで来たか!しかもコンパクトサイズで!と管理人を感動させてくれたペダルです。DA-2が出るちょい前くらいからZOOMの安いマルチエフェクターで「 最近は普及クラスのマルチエフェクターでも全然いい音だなぁ 」なんて思っていましたけど、本機はDA-2は本当に素晴らしい。
特にクセもないながら勢いのあるザ・ディストーションって感じで使いやすいサウンドです。DS-1やDS-2に取って代わる新世代のディストーションを狙ったって感じですね。
しかしながら残念なことに…
かなりのハイスピードで廃番が決まってしまいました。
まさかの超短命!?
まさかまさかの短命ランキング2位に食い込む超短命モデルとなってしまいました。
本当に残念なお話なのですが、あっという間に廃番が決まり、そのままあっという間に廃番に。
公式ではTE-2がBOSSコンパクトエフェクターの100機種目とはいえ、本機DA-2とてTE-2とは同時発売。しかもMDP初のディストーションペダルという記念すべきモデルの一つが、こんなにあっさりと亡くなってしまうなんて…
ある意味レアものと言えるかもしれません。
デジタルってところを除けば特にクセがあるわけでもないですし、発売からそう間もなく販売中止の噂が出始めていたので販売数・売れ行きの問題ではなく、戦略的に廃番になったのでしょう。
多分、Xシリーズとして登場したDS-1Xに食い殺されたって感じかと。DA-2発売後にXシリーズの企画が持ち上がり、その一翼であるDS-1Xと扱いやすいスタンダードなデジタルディストーションというコンセプト・キャラクターが非常に似通っていたために廃番になったものかと思われます。
ツマミのパラメーター名なんかはちょっと違いますけど、見た目もかなり近いところがありますし。一説によるとマルチエフェクターであるGTシリーズにDAが搭載されることになったため、なんてお話も。
それはそれで名誉なことだし、むしろマルチエフェクターに搭載されるくらいいい音ならわざわざ廃番にする必要もないような気もするのですが……
どちらにせよ大人の事情で廃番になってしまった残念な子です。しのびない。
DA-2 Adaptive Distotion レビュー・総評
本機DA-2は、デジタルディストーションの進化を知るにおいて非常に重要なポジションにある機種とも言えます。
なんせMD-2 Mega Distortion以来久しぶりにディストーションの名を冠するモデルが本機DA-2で、いきなりデジタルですからね。
BOSSはデジタルサウンド黎明期1987年にはすでにデジタルディストーションMZ-2 DigitalMetalizerを出していましたが、比べてみるとサウンドの進化は目を見張るものがあります。
残念ながら、前述の通りDA-2は既に廃番。しかしそのサウンドコンセプトと高品位なデジタルディストーションサウンドはXシリーズのDS-1Xに受け継がれています。
「 ザ・スタンダードなデジタルディストーションが欲しい! 」
ってな方は無理にDA-2を探さずとも、DS-1Xで済ませてしまってもよいかと思います。とはいっても、まだ在庫があるためか販売は続けられています。
でもその内レアになるかもだし、買っておいて損はないかも?
(短命機の代表格PW-2 Power Driverでもそんな高値はついてませんけど)
販売期間・スペック・仕様
- 販売期間
- 2013年2月16日~2014年4月
- 製造国
- 台湾製
- コントロール
- LEVEL、LOW、HIGH、A-DIST
- 接続端子
- INPUT、OUTPUT、ACアダプター
- 消費電流
- 45mA
- 対応アダプター
- PSA-100