音抜けさわやかなスーパーコーラス
本機CH-1 SUPER ChorusはBOSSの新しいエフェクターシリーズとして、CEシリーズとは独立した形で発売されたコーラスペダルです。
ちなみにCH-1が発売された1989年、BOSSがコンパクトエフェクターとして出したのは本機CH-1の一機種のみ。
(ちなみに1988年も一機種しか出してない)
一度に複数のペダル発表することの多いBOSSが、一年かけてたった一機種。
それだけBOSSの本気が詰め込まれている……わけではなく、この頃ラックエフェクターなどに注力していて、コンパクトエフェクターどころじゃなかったとのこと。
いや、でもCH-1もいつも通り本気で造られたペダルだと思いますよ。なんせBOSSのコーラスですから。
1989年の発売以来CHシリーズの現行品として販売され続けている辺りからも、その完成度の高さが窺えるロングセラー機です。
アナログ仕様からデジタル仕様へのマイナーチェンジ
本機CH-1は、販売途中で遅延素子として使われていた松下製BBDがデジタルICに変更されました。
結果、CH-1は販売途中でアナログコーラスからデジタルコーラスへの華麗なる変身を遂げているわけです。
マイナーチェンジと呼ぶには結構大きな変更点な気もしますけど、型番は変わっていません。
残念ながら音比べの機械に恵まれず聞いた話の総合ですが、サウンドには特に変更はなく、音には大差はない意見がほとんど。
音の違いは個体差程度のレベルと思っていいでしょう。
CH-1 スーパーコーラス アナログ個体とデジタル個体の見分け方
音に違いがないとは言っても、当然コレクターには初期のアナログ仕様の方が人気はあります。
その違いを見分ける一番簡単な方法が、裏パネルに貼られたシールの色。
現行品の黒シールは当然デジタル。
青シールは一部デジタルもあるが、基本的にはアナログ。
ピンクシールはまず間違いなくアナログ回路とされています。
確実にアナログ品が欲しい方は、裏パネルに貼られたシールがピンクバージョンの個体を探しましょう。
青シールはちょっと面倒ですが、パネルを開けて基板上のパーツをみれば確実。
コーラスでよく見かけるICの組み合わせ、松下製ICであるMN3101とMN3007が入っていればアナログです。
高音域までよく出るCH-1のサウンド
本機CH-1の最大の特徴は主に倍音域にコーラスがかかるところと言えるでしょう。CEシリーズよりも上の帯域にエフェクトがかかります。
(実際にコーラスがかかる帯域はEQツマミである程度調整できます)
そのお陰で悪く言えば地味、よく言えば爽やかでシャープな印象のあるコーラスサウンドに仕上がっています。
元々BOSSのコーラスペダルであるCEシリーズ自体、あまりハイがよく出るわけではありませんでした。
そこへデジタル系のエフェクターが台頭してきて、ハイまでキッチリ良く出るエフェクターが増えて、コーラスにも高音域の伸びを求める声が出てきたんです。
それで本機CH-1では趣向を変えて高音域によくかかる爽やかなコーラスサウンドになった、ってワケです。
CH-1は〇〇-1最後の機種?
本機CH-1は長らく新機種で「 -1 」がついた最後の機種です。
(DS-1Xなど全くの新シリーズは除く)
本当は新しい型式ができたら○○-2にしていくルールで決まっていたはずなのに、なぜか本機スーパーコーラスのCHだけはそのルールが適用されずCH-1に。
開発陣の久保さんいわく、「 5年ぶりに開発に戻ったころの機種だから、CH-2にするのを忘れてCH-1と企画書に書いたのかも…… 」
とのこと。うっかりさんめ(失礼)。
BOSS CH-1 レビュー・総評
ハイまでよくよく伸びてくれるシャープ&爽やか系コーラス……
なんて触れ込みですけど、実を言えばCH-1に2年遅れて発売となった CEシリーズの最新機種であり現行品、CE-5 Chorus Ensembleの音作りの幅が広いのもあり、またどちらもBOSSらしいキャラクターの傾向があるため、言う程大きな差は感じない人も多いようです。
きちんと意識したうえでないと、試奏程度ではちょっと両者のキャラクターの違いをくみ取るのは少々難しいかも。
本機CH-1は、主に高音域にコーラスがかかるシャープで爽やかなサウンドが持ち味です。
逆に言えば暖かみのある従来の(ある意味レトロな)コーラスサウンドは苦手とするところです。
自然で爽やかな、高音域に伸びのあるサウンドが欲しければCH-1 スーパーコーラス、全体にしっかりかかって暖かみのあるコーラスサウンドが欲しい場合は、CE-5を選ぶと良いでしょう。
販売期間・スペック・仕様
- 販売期間
- 1989年5月~現行品
- 製造国
- 台湾製
- コントロール
- E.LEVEL、EQ、DEPTH、RATE
- 接続端子
- INPUT、OUTPUT【A】、OUTPUT【B】、ACアダプター
- 消費電流
- 22mA
- 対応アダプター
- PSA-100