ビンテージスタックアンプをシミュレートした歪みペダル ST-2
本機ST-2 Power Stackはヴィンテージスタックタイプのアンプの音をCOSM技術を使ってシミュレートした歪みペダルです。
COSMを使っていながらCOSMロゴはありません。
というのも、この頃BOSSではデジタル技術であるCOSM多用によるマンネリ化を懸念し、マルチエフェクターの技術者をST-2の開発・音作りの担当させるなど、BOSSは新しいサウンドに向けて突っ走っていたのです。
その末に生まれたのが本機ST-2。
COSMを昇華させた新世代MDP機として初めて発売されるのはDA-2 Adaptive Distortionですが、そこに向けての試行錯誤は既に始まっていました。
ちなみに、コンボアンプの音をシミュレートしたBC-2 Combo Ampも本機ST-2から遅れること1年、2011年に発売されており、この二機種は兄弟機といえるでしょう。
元ネタはマーシャルアンプ?
外観もなかなかかっこよく、コントロールパネルのトップは若干ゴールドがかったメタリックのパネル。
そして真っ黒な筐体に白文字…
まるでマーシャルアンプヘッドの金色コントロールパネル&真っ黒キャビネットに白いMarshallロゴみたいですねぇ。
スゴイ偶然ですねぇ。まるでMarshallを意識したみたいな…
なんて白々しく言わなくてもみなさんお気づきでしょうが、本機ST-2は明らかにMarshallアンプを意識したイメージですね。
ここまでどうせならツマミのトップもゴールドだったらよかったような、とは思いますが、
ST-2 パワースタックのサウンド
分類としてはアンプシミュレーター寄り・ディストーション寄りの歪みエフェクターといったところでしょうか。
ディストーションとは言ってもごく軽いクランチ程度からウルトラまでの幅広いゲイン領域を持ち、
その名の通りパワフルなサウンドを持ち、スタックアップのサウンドをシミュレートしただけあってミュート時の迫力はなかなか。
箱鳴り感もかなり気持ちいいです。
この辺りはメタル系のハイゲインペダルであるML-2 Metal Coreで培われたところもあり、やはりお手の物でしょう。
ST-2 パワースタック レビュー・総評
本機ST-2は、ML-2の迫力のあるブリッジミュートサウンドは好きだけどちょっとメタルっぽさが先行し&ハイゲインすぎて扱いづらい、って方にピッタリといえるでしょう。
または素直に、ソリッドステートのアンプでも手軽にMarshallのスタックっぽい音を出したい!ってな方にオススメですね。
デジタルの歪みペダルってだけで敬遠される方はかなり多いのですが、大抵の方はただの食わず嫌いか、最近のデジタルの歪みサウンドをきちんと聴いていないかのどちらかではないかと。
(といっても2016年現在でもすでに、2010年発売の本機を最近といっていいのか微妙なラインですが)
きちんと音作りしてみてちゃんと弾いて&聴いてみれば、アナログとは違うにしてもそこに予想以上の魅力があったと再発見できるのではないかと思います。
本機一応立ち位置的には『 スタックアンプ(Marshall)の音を再現したシミュレーターペダル 』ですが、ディストーションペダルではDS-1X Distortionなんかもありますし、軽い歪みでは兄弟分のBC-2もあります。
食わず嫌いはせず、ぜひ一度BOSSのデジタルの歪みの音を試してみていただきたいですね。
販売期間・スペック・仕様
- 販売期間
- 2010年9月~現行品
- 製造国
- 台湾製
- コントロール
- LEVEL、BASS、TREBLE、SOUND
- 接続端子
- INPUT、OUTPUT、ACアダプター
- 消費電流
- 41mA
- 対応アダプター
- PSA-100