世界初のコンパクトエフェクターサイズデジタルリバーブ
本機RV-2は、世界で初めてのコンパクトサイズのデジタルリバーブとして1987年に登場しました。
その頃はまだまだ機材類の小型化が進んでおらず、デジタルリバーブといえばラックマウントエフェクターが主流。これは業界に相当の衝撃を与えたそうです。
このコンパクト化はBOSSが独自に開発した専用のDSPチップによるところが大きいそう。
独自のカスタムICとか世界初のコンパクトサイズのデジタルほにゃららとか、どっかで聞いたことある話ですね。そう、DD-2 Digital Delayと似たような経緯です。
しかも本機、簡易的とはいえディレイ&パンニングディレイまで搭載しちゃってます。
さすがBOSS、スゴイ。
RV-2のサウンド
本来、アナログリバーブはパーツの構成的にどうしても音の劣化が起こりやすいエフェクターです。
特に高音域の欠けが目立ち、音の角が取れてが丸く聴こえるのがアナログリバーブの特徴。
反対に高品位なデジタルリバーブは原音の劣化の少ないのが売りですが、本機RV-2ではPRE EQを絞ることであえて高音域を落とし、音を丸くしてアナログっぽさを出すことも可能です。
あまりにガッチガチにそのまんまでも嫌味な音になってしまうので、あえてそのような処理を施しています。
初期モデルにしてすでにそこまで考慮するなんて、さすがRolandのノウハウは素晴らしい。
しかもこんなコンパクトサイズでありながら、6モードもの豊富なリバーブサウンドを持ちます。
さすがに本記事でその全てを紹介すると長くなり過ぎちゃうので、各モードについては別記事にまとめておきました。
下記リンクよりどうぞ。
電池が使えない→アダプター付属→箱デカのBOSSコン
BOSSコンにしては珍しく、電池が使えません。
それもそのはず、RV-2の消費電流なんと脅威の130mA。デジタルディレイのDD-3が55mAと比較してみればそのすさまじさがよくわかるかと。
あれだけ電池の消耗が激しくてアダプターを推奨されているデジタルディレイの2倍は軽く超えちゃってます。
そのため、本機RV-2には最初から電源アダプターPSA-100が付属になっており、他のエフェクターペダルよりも大きな箱で売られていました。
中の基盤は二段積み
いくらカスタムICを使って小型化をしたとはいえ、パーツ数はかなり凄まじいものがあります。それだけのパーツ数ですから開発陣もかなり苦心したらしく。
電池を入れないのであればそのスペースも活用してパーツを入れればいいじゃないかなんて話も出たそう。
結局、それはさすがに却下され、基板を二枚重ねにしてなんとか収めきりました。
しかしそんな中途半端なレビューがあるのかと叱責を頂いてしまいそうなところですが。管理人、実はRV-2の中身をみたことがなくてですね…
ぜひ一度お目にかけたいものです…
RV-2 デジタルリバーブ レビュー・総評
まだまだ技術的に未熟だった1987年にデジタルリバーブをコンパクトサイズにまとめたことは、確かに凄い。
しかし悲しいかな、販売実績的には振るわなかったようで、3年もたず1990年に入ったばかりの1月に廃番となってしまいました。
アダプターも付属でしたし、ちょっと価格が高過ぎたのかもしれませんね。
こういったデジタルものの進歩は速く、後継機種になればなるほど素直に機能は増え、性能が上がっていきます。
このすぐあとのRV-3ではディレイとリバーブの単体使用・重ねがけもできるようになり、RV-5はスプリングリバーブのシミュレートも搭載。
更に更に現行品としてはRV-6まで登場しています。(RV-4は欠番)
RV-2も十分に高品位なデジタルディレイではありますが、コレクション目的以外ではあまり用はないでしょう。
コレクションアイテムとしての価値はあると思いますけどね。なんせ世界初のコンパクトサイズのデジタルディレイで、BOSSコン初でもありますから。
販売期間・スペック・仕様
- 販売期間
- 1987年10月~1990年1月
- 製造国
- 日本製
- コントロール
- E.LEVEL、TIME、PRE EQ、MODE
- MODE
- 1、2、3、4、5、6
- 接続端子
- INPUT、OUTPUT【A】、OUTPUT【B】、ACアダプター
- 消費電流
- 130mA
- 対応アダプター
- PSA-100