ODシリーズの系譜を受け継ぐ正統派オーバードライブ OD-3
OD-3 OverDriveは、OD-1より脈々と続くODシリーズの名を継いだ正統派アナログオーバードライブペダルです。
本機前身機種にあたるOD-2 Turbo OverDriveが多機能化したものの不発に終わり、若干迷走した印象が強かったのに対し、OD-3はシンプルな3つツマミのオーバードライブとして登場。
SD-1 SUPER OverDriveとは同様のシンプルなコントロールと外観を持ちながらも、中は回路が結構凝った造りになりました。
オーバードライブには定評のあるBOSS、それだけ気合い入れて造り込んたのでしょう。
OD-3のサウンド
SD-1 Super OverDriveの方が回路的にはOD-1 OverDriveにトーン回路を付けた構造で近いのですが、SD-1はキャラクター的には軽快な方向に寄ったんですよね。
それに比べ、OD-3は悪く言えば平凡、良く言えばバランスが良い印象。
デュアルステージオーバードライブサーキットという新しい系統の回路を採用しかなり深い歪みにも対応します。
クセも少なく色々なサウンドもそつなくこなせて守備範囲も広いし、OverDriveの名を冠すものとして、ザ・スタンダードって感じで好感がもてます。
深い歪みでもノイズが少なく、無理している感がないのはさすがはBOSSといったところ。この辺は先に発売されたBD-2 Blues Driverも同じ傾向がありますね。
実を言うと、OD-3直近のオーバードライブの発売順はBD-2（ブルースドライバー） → PW-2（パワードライバー）→本機OD-3って順番。
BD-2はピッキングニュアンスの出しやすさとBOSSらしいコンプ感のバランスが素晴らしく、PW-2はコンプ感はなくピッキングニュアンスが出まくりなダイナミックなオーバードライブでした。
しかし大ヒットしたBD-2に対し、PW-2は歴代短命ランキング1位に入ってしまう体たらく…
そのせいかどうかはわかりませんが、OD-3はBD-2と同じくコンプ感とピッキングニュアンスのダイナミックさの両立を目指した方向性になった模様。
PW-2もいいオーバードライブだと思うんですけどね…
BOSSらしい使い勝手の良いサウンドながら、ピッキングの強さやギターのボリュームで歪み方を微調整できるテクニカルなプレイにも対応しています。
BOSS オーバードライブにもデジタル化の流れ？
BOSSコンのオーバードライブは本機OD-3以降しばらく新作が出ていなかったのですが、2007年発売のDN-2 Dyna Driveを皮切りに、以降新作はデジタル設計で発売されています。（※モディファイ扱いの技シリーズを除く）
そして現在ODナンバリングの最新機種はデジタル機種のOD-1X。
アナログのオーバードライブはOD-3までで一旦打ち切りで、今後の正当な系譜はOD-2Xなどとデジタルの機種として続いて行くのかもしれません。
もしかしたらOD-5（※）として出るかもしれませんが、OD-3他現行のオーバードライブペダル自体完成度も高いし、アナログではこれ以上やれることもそんなになさそう…
これから出るオーバードライブペダルがアナログ設計である可能性はちょっと低そうですね。アナログ党としてはさみしい限りです。
※ゲンをかついでかBOSSコンの型番には基本的に4はつかず欠番となるため、OD-3の次があればOD-5になる見込み。
OD-3 OverDrive レビュー・総評
本機OD-3BOSSの歪みエフェクターらしくちょっとコンプかかったような感じもあり、初心者にも扱いやすいエフェクターかと。
しかし先に発売されていたBD-2 BluesDriverが爆発的な人気を誇り、OD-3はその陰でしくしく泣いているというイメージです。
王道なオーバードライブ感じのサウンドで悪くないと思うんですけどね…
BOSSのオーバードライブは本当に優秀なペダルが多いので、ついつい集めすぎちゃうんですよね。
とか言いながら、実は管理人SD-1とBD-2は手元に残してOD-3は手放しちゃったんですけど。
だ、だってさ。オーバードライブばかり3つもいらんべ！？
ともかく、アナログのオーバードライブの現行品をザックリ紹介するとウォームで落ち着いたサウンドが楽しめるBD-2、硬質で歯切れの良いSD-1、ザ・王道オーバードライブの本機OD-3かって感じ。
なかなか迷うところですけど、好みでお選びくださいまし。
販売期間・スペック・仕様
- 販売期間
- 1997年8月～現行
- 製造国
- 台湾製
- コントロール
- LEVEL、TONE、DRIVE
- 接続端子
- INPUT、OUTPUT、ACアダプター
- 消費電流
- 9mA
- 対応アダプター
- PSA-100
