みんな真似したアナログオクターバーの名機OC-2
オクターバーとは、原音のオクターブ違いの音を出せるエフェクターです。
本機OC-2 Octaveは1オクターブ下と2オクターブ下の音を自由にミキシングして出すことが可能。
BOSS初のオクターバーとして1982年に登場し、数あるBOSSコンの中でもかなり早い段階で完成しています。
他社が出していた従来の方式とは違うBOSS独自のオクターバー回路により地味ながらヒットし、その後20年以上の販売期間を誇るロングセラーに。
この独自の回路がかなり優秀で、その後他社のオクターバーの回路設計にも多大なる影響を与えました。
つまり、パクられまくったってことです。
商品名と外観の変更
実はOC-2はその長い販売期間中、一度外観変更が行われています。
モデル名が初期の Octaver(オクターバー)からOctave(オクターブ)へ変更。型番は変わらずOC-2のまま。
また、筐体の色もメタリックの薄めの赤味の強い茶色から、より濃い茶色に変更となりました。
ちなみに上この画像が後期OC-2 Octaveの実機の写真。冒頭の画像も後期のOC-2のイラスト(のつもり)です。
商品名がオクターバーからオクターブへ変更されてはおりますが、機能面など外観以外の部分では特に変更はなかったようです。
OC-2 オクターバーとしての実力とサウンド
冒頭でも書いた通り、OC-2は1オクターブ下と2オクターブ下の音を自由にミキシングが可能です。
従来のオクターバーは、回路の構造上オクターブ効果を得るためにどうしても原音が持つ倍音やニュアンスを損ねてしまったり、原音とはかけ離れた音になってしまう弱点がありました。
が、OC-2はBOSS独自の回路設計により原音が持つ倍音やニュアンスを失わず、ほとんどそのままでオクターブ効果を得られます。
そのお陰で他社のオクターバーよりも断然音の変化の少ない、ナチュラルで原音に忠実なオクターブサウンドを得ることができます。
ギターで使うのももちろんですが、ベースで使った時のビヨンビヨン跳ねるようなファンキーなサウンドもなかなか楽しいですよ。
ギター弾きの管理人、OC-2の購入考えたことあったのですが、ギターではイマイチ使い道がわからずやめました。
逆に当時組んでいたベースの子に勧めるも撃沈。ベースによくあうと思うんですけどね…
超省エネエフェクター
OC-2の消費電流はなんとたったの4mAです。アナログにしてもちょっと少なすぎるんじゃないですかね。
CHECKインジゲーターのLEDもあるので、エフェクトでは全然電流消費してなさそう。
説明書にはマンガン電池で約100時間動くとかワケわかんないこと書いてあります。省エネ過ぎます。
引き換え後継機のOC-3はデジタル設計なこともあり消費電流は10倍以上の50mA……
デジタルディレイにもせまる勢いです。差が激しいですね。
OC-2 オクターバー総評
後継機種であるOC-3 SUPER OctaveにOC-2モードが搭載されていますし、OC-3の方が音のバリエーションが増えておりわざわざOC-2を買う必要はないかも知れません。
ただ若干音質が違い全く同じ音にはなりませんので、弾き比べができるようであれば弾き比べてみて選ぶと良いでしょう。
また、OC-2はアナログ設計ですが、後継機種として出たOC-3 SUPER Octaveはデジタル回路で設計されています。
今後BOSSのオクターバーは全てデジタル設計になるでしょうから、BOSSでアナログオクターバーが欲しいと時はこのOC-2がしか選択肢はないでしょう。
管理人個人的には、初期のBOSSコンらしいシンプルな3つノブがGOODなOC-2の方が好きです。
…完全に見た目だけでの判断ですけど。
その回路設計とサウンドのすばらしさは、他社がこぞってOC-2の回路を真似した点や、20年以上に渡る販売期間が物語っています。
そのうち業シリーズOC-2Wなんか出ちゃったりして。
いや、これだけロングセラーだったんだし真面目に出ちゃうかもしれませんね。
販売期間・スペック・仕様
- 販売期間
- 1982年4月~2005年6月
- 製造国
- 日本製・台湾製 両方あり
- コントロール
- DIRECT LEVEL、OCT 1、OCT 2
- 接続端子
- INPUT、OUTPUT、ACアダプター
- 消費電流
- 4mA
- 対応アダプター
- PSA-100・ACA-100 両方あり