1オクターブ上で音を揺らす上品なハイバンドフランジャー
HF-2 Hi Band Flangerは高音域を中心に効果をもたらせるフランジャーです。
実際BOSSの他のフランジャー、例えばBF-2 Flangerは低音側から大胆にフランジャーをかけてどギツイフランジャー効果が得ていました。
しかしそのフランジャーサウンドがきつ過ぎて使いづらいという声も多く、よりマイルドなフランジャーとしてHF-2が開発されたのです。
カラーリングもBOSSフランジャー本流のBFは紫なのに本機HF-2は薄紫色になっている辺り、効果が薄めでマイルドになったことがイメージできますね。
そういえばカラーリングのことでは、BF-2をピンク色で発表した当初、「 ピンクは女性の下着の色だ! 」とアメリカ合弁会社からストップがかかった逸話もありましたが……
今回もピンクっぽくはありますけど、ランジェリーっぽいピンクに見えない薄紫のギリギリのラインを狙ったようです。
これはこれでオバサンのパンティーの色っぽくて却って下品な気もするんですけどね…
HF-2 Hi Band Flangerのサウンド
本機HF-2はBF-2よりも1オクターブ上の帯域を揺らすように設定されており、ナチュラルで爽やかなフランジャーサウンドを得ることができます。
通常のフランジャーとは全く違う上品なキャラクターでそれなりに人気があった模様。
効果のえぐさで言えばコーラスとフランジャーの中間くらいってイメージでしょうか。
その音はシンセサイザーにもよく合い、特にストリングス音にかけて使うミュージシャンも多かったそう。
その爽やかなサウンドは、ギタリストのみならず意外と幅広い層から支持を得られたようです。
HF-2 ハイバンドフランジャー総評
フランジャーとしては上品なサウンドなので、エグい揺れ方が欲しい人には物足りないかと思います。
そういった方は素直にタップテンポ機能、ベースインプットにステレオアウトもついた全部入りモデルBF-3 Flangerの方がよいかと。
ただし、やはりHF-2はかかりが特殊で、その独特なサウンドは他のフランジャーではなかなか出せません。
実際、販売されていた当時は大ヒットとはいかずともそれなりに売れていたようです。
HF-2自体は中古しかないため欲しいといってすぐに手に入るものでもありませんが、ぜひ一度は試してみて頂きたい面白フランジャーです。
販売期間・スペック・仕様
- 販売期間
- 1985年10月~1995年2月
- 製造国
- 日本製
- コントロール
- MANUAL、DEPTH、RATE、RES
- 接続端子
- INPUT、OUTPUT、ACアダプター
- 対応アダプター
- ACA-100