3つのサウンドモードのモデルとBOOST
FZ-5の最大の特徴であり、サウンドと要となるのがファズの名機3種類から音を選べるMODE選択ツマミです。
どれもBOSSが誇るデジタル技術COSMにより忠実にモデリング・再現されています。
本記事では、そんな各モードのサウンド、ひいてはFZ-5のサウンドそのものと、これまたユニークなFAZZツマミのBOOST領域について解説します。
FZ-5の検討や音作りの参考になれば幸いです。
※FZ-5そのものの紹介記事は下記リンクよりどうぞ。
F FACEモード = FUZZ FACE
FZ-5のF(FACE)モードは、Dallas Arbiter社の名ファズ FUZZ FACEをモデリングしたサウンドです。
FUZZ FACE(以下ファズフェイス)といえばジミ・ヘンドリックスも愛用したことで有名なファズ。60年代後半のサイケデリックなロックサウンドを支えました。
歪みの深さ自体はそこまで深くもありませんが、ゲルマニウムトランジスターAC128を使った図太いサウンドで人気です。
FZ-5もファズフェイスの特徴をよく捉えており、深すぎないゲインでありながら太く存在感のあるファズサウンドに仕上がります。
M MST FUZZモード = FZ-1A
FZ-5本体上でMと表記されたMST FUZZモードは、Maestro社の名ファズFZ-1Aをモデリングしています。
時折「 M=MuffのM 」だ!と主張される方を見かけますが、残念ながらエレハモのビッグマフのモデリングではございません。
オリジナル機ではゲルマニウムトランジスター2N2614を使用しており、AC128を採用しているFAZZ FACEとはまた違ったサウンドになります。
全体的に高音域が強調された音が特徴的。
なお、MST FUZZモードではときおり音の途切れや音が小さくなる現象が起こります。これは故障や不良ではなく、オリジナルのFZ-1A自体がそのような仕様だったのを忠実に再現したもの。そういう仕様なのでご安心を。
(説明書にも書かれています)
ゲインを調整するFUZZツマミがセンターよりも左、つまりBOOSTをかけていないオリジナルサウンドの再現で音を出している場合にのみ起こります。
O OCTAVE FUZZモード = Octavia
OCTAVE FUZZモードはロジャー・メイヤーのOctavia(以下オクタヴィア)の音をモデリング・再現したモードです。
いわゆるオクターブファズってヤツで、1オクターブ上の音が重なって聴こえる面白い効果をもたらせます。
ロジャー・メイヤーのオクタヴィア自体はジミ・ヘンドリックスも愛用したことで有名。
そんなオクタヴィアをモデリングしたFZ-5のOモード、ジミヘンのサウンドを再現したい時に重宝すること間違いなしですね。
FAZZツマミのBOOST領域
ゲインとして機能し歪み量を調整するFAZZツマミですが、みてわかる通りセンターより右側半分、12時以降がBOOSTと表記されています。
既に説明した通りFZ-5は色々なFUZZのサウンドをモデリングで再現したサウンド。
そしてFZ-5のFUZZツマミのセンターがモデルとなったオリジナルファズのゲインのMAXに当たります。
そこから更にFUZZツマミを回したBOOST領域ではオリジナルにはない更に上の段階へサウンドを激しく変化させる、ってことですね。
ただ音の真似っ子、モデリングで終わらない辺りがBOSSらしいです。
まとめ:FZ-5 FUZZの3つのサウンドモードとBOOST
- F(FACE)はFuzz Faceの野太く存在感のあるサウンドを再現したモード
- M(MST FUZZ)はマエストロ社のFZ-1Aのトレブリーで特徴のあるサウンドを再現したモード
- O(OCTAVE FUZZ)はロジャー・メイヤーのOvtaviaのオクターブファズサウンドを再現したモード
- FUZZツマミのセンターを超えた部分はモデルとなったオリジナル機種よりも更に強烈なファズを得られるBOOST領域
ちょっと面白いことに、本機FZ-5、FACE、MST FUZZ、OCTAVE FUZZのたった3つのモードのためにモードシールが付属しています。
(モードシール = BOSSコン本体の横に張るモード表)
といっても F=FACE M=MST FUZZ O=OCTAVE FUZZくらいとしか書いてないんですけどね。
そんなんより説明書に元になったモデルを書いてくれた方がよっぽど親切だろうと思いますけど、さすがに他社製エフェクターの名前を出せないのはしょうがないんでしょう。怒られちゃう。
販売期間・スペック・仕様
- 販売期間
- 2007年2月17日~現行品
- 製造国
- 台湾製
- コントロール
- LEVEL、MODE、FUZZ
- MODE
- F(FACE)、M(MST FUZZ)、O(OCTAVE FUZZ)
- 接続端子
- INPUT、OUTPUT、ACアダプター
- 消費電流
- 36mA
- 対応アダプター
- PSA-100