デジタル技術COSMでよみがえる数々の名機の音
本機FZ-5 Fuzzは、BOSSコンで初めてデジタル化されたファズペダルです。
BOSS 30周年を飾る節目の年に発売となった3種の内の一機。
デジタル機でありながらシンプルな3つ目のレイアウトとごつごつした無骨なシルバーの筐体、漢らしくシンプルな Fuzz 表記。クールでカッコいいです。
前身機種FZ-2、FZ-3との比較
見た目は前身機種のFZ-3 Fuzzとほとんど変わっていませんが、FZ-3にあったTONEツマミがそのままMODEツマミに変更され、トーンは調整できなくなっています。
本当ならツマミを4つに増やせばよかったのですが……
実はBOSSコン初のファズペダルであるFZ-2ですでにツマミ4つ&モード切替を実装していました。しかしコレがファズらしくないと不評。サウンドが人気の高い海外の各モデルではなく国産ファズを踏襲していたこともあり、不人気によって爆死。
FZ-3ではその反省を活かし、音色を海外のファズサウンドっぽくした上にシンプルに3つツマミにデチューンした経緯があったのです。
それで本機FZ-5でもツマミは増やさず、デジタル機でありながらシンプルな見た目を貫いたようです。
BOSSコンパクトエフェクター初のCOSM搭載機
FZ-5はBOSSのファズシリーズ初のデジタル機にして、コンパクトエフェクターとして初めてCOSMが搭載された機種でもあります。
アンプやマルチエフェクターではよく使われていたんですが、コンパクトシリーズ使われたのは2007年に出た本気FZ-5が初。
その後、BOSSのデジタルの歪みは新世代技術のMDPに移行したためCOSMが使われた機種はそう多くはありません。
COSMも十分すぎるほど自然でキレイに音が出てくれますし、正直MDPがどうだのCOSMがどうだの言うほどの差は感じないですけど。
っていうか、ゲルマニウムトランジスターなんて超アナログパーツを使ってたファズをあえてデジタル化しているんです。
むしろ最新鋭化すればするほど、ファズらしさが失われてしまいそうな気がするので、ことFuzzに関していえば積極的にハイファイ化していく必要はないでしょう。
FZ-5のサウンドとBOOST 領域
本機FZ-5にはFACE / MST FUZZ / OCTAVE FUZZ の3つのモードがあり、それぞれ往年のファズ名機の個性的なサウンドをCOSMで忠実に再現しています。
それぞれのサウンドについて詳しくは下記URLよりどうぞ。
FZ-5をブースターとして使う?
実は本機FZ-5はファズとしてだけではなく、ブースターとしても優秀です。
意外に思われるかもしれませんが、もともとファズ自体ブースターとしてもよく使われてきたエフェクターです。
トーンがないので微調整がしづらい面がネックですが、本来普通のファズでは音がかなり暴れるところをFZ-5はノイズも少なくピーキーにならないので扱いやすいですね。
試奏される時にでもぜひ一度試してみてください。
FZ-5 Fuzz レビュー総評
ファズとしては褒め言葉になるのかどうかわかりませけど、デジタルらしくノイズが少ないBOSSらしい小ぎれいによくまとまったサウンドです。
変に暴れることも少ないのでファズ初心者でも扱いやすいでしょう。管理人個人的にはBOSSのファズの中では最もオススメできる機種ですね。
好みの問題ではありますが、ファズフェイスなどオリジナルの名機たちこそがザ・ファズって感じのサウンドですから、同じアナログの土俵で戦っているFZ-2やFZ-3は正直あまりオススメはしません。
(国産ファズの音が欲しい人にはFZ-2がオススメです)
その点、本機FZ-5は名機3台分の音を再現したデジタルのファズとして他にはない個性を持っているので、そういう意味では価値のある1台なのではないかと。
ファズ自体は決して使い勝手のいいエフェクターではないし、価格も高いものが多いです。その点FZ-5はBOSSらしくデジタルらしく扱いやすいうえに、価格もお手頃。
本気で使うファズとしてはもちろん、ファズ入門用に使ったり名機の音を試してみたい時にもってこいのファズペダルと言えます。
販売期間・スペック・仕様
- 販売期間
- 2007年2月17日~現行品
- 製造国
- 台湾製
- コントロール
- LEVEL、MODE、FUZZ
- MODE
- F、M、O
- 接続端子
- INPUT、OUTPUT、ACアダプター
- 消費電流
- 36mA
- 対応アダプター
- PSA-100