FZ-2 HYPER Fuzz(ハイパーファズ)

FZ-2 HYPER Fuzz(ハイパーファズ)

BOSSらしいけどファズらしくないBOSSのファズ FZ-2

BOSS FZ-2 HYPER Fuzz ハイパーファズイラスト

無骨なグレーがカッコいいBOSSのファズ FZシリーズ

FZ-2 HYPER Fuzzは、BOSS名義で造られたファズ第1号機です。

BOSSがまだメグ電子だった頃に作ったにBee Baaってファズペダルはありましたけど、それから20年経ってようやく出たファズが、本機FZ-2です。

ファズってエフェクターとしては割とメジャーなのに、意外や意外BOSSは1993年まで造っていませんでした。

ハイパーと名乗るにふさわしい豊富なサウンドバリエーションときめ細かいセッティングができるコントロール類を持ちます。

しかしそのきめ細やかなコントロールと国産ファズの踏襲したサウンドがファズに求められるイメージとかけ離れていたためか、4年程度でモデルチェンジにより販売終了となってしまいました。

良いものを造ろうという想いが必ずしも結果につながるとは限らない。

そんな一例と言えるかもしれません。無念。

ハイパーファズのツマミとモードコントロール

ハイパーファズのトーン回路はただのカット回路ではなく、ブーストもできるアクティブトーン回路

しかも2軸のポット搭載でTREBLE / BASS、高音域と低音域の2バンドでトーン調整が可能です。

そして基本のLEVELツマミとGAINツマミに加え、ロータリースイッチのモードセレクターも。

本機FZ-2の2年前に発売されたMT-2 Metal Zoneほどではありませんが、ファズでありながらかなり豪勢なコントロールで、アグレッシブな音作りが可能です。

なお、FZ-2のゲインツマミは名称が ” GAIN ” になっています。これ、何気に珍しいこと。

BOSSの歪み系ペダルのゲインツマミの名前が ” GAIN ” になっている機種ってあまりないんですよね。

本機以降のファズだとゲインツマミはFUZZって表記だし、大抵のディストーションペダルはDIST、オーバードライブペダルはDRIVEになっています。

2つのFUZZモードとGAIN BOOSTモード

BOOSTモードはその名の通りゲインブーストで、アンプや他の歪みエフェクターに対してブースターとして使う時に適したモードです。

非力なピックアップのパワーを補うにも使えるので、安いギターなどでピックアップの出力が弱い、なんて時にもいい感じ。

Bee Baaにもついていた機能で、ある意味Rolandのお家芸みたいなものと言えるでしょう。

…後継機種のFZ-3では廃止となってしまいましたが。

二つあるFUZZモードのそれぞれの音は、一方は低音域に重きをおいた、コシのあるファズサウンドで、もう一方は倍音がふんだんに出た、砂を噛んだようなシャリシャリ感のある歪み…というとなんか不快感ありますね。スミマセン。

全体的にはファズらしいシャーシャーとした、粒の細かくも荒い歪みです。

 

ハイパーファズのサウンド

一般的なファズのイメージになるようなファズフェイスなどといった海外のファズではなく、国産のファズのサウンドを踏襲しています。

いわゆるグループサウンドと呼ばれるようなジャンルでよく使われた国産ファズ、例えばエーストーンのファズマスターといった名機をモデルにしています。

グループサウンドが好きなのであれば堪らないのでしょう。

しかし、数ある海外製ファズの名機のような音を期待した人々、特に外国の市場から評判がよくなく、ヒット商品とはなりませんでした。無念の一品です。

BOSSのエフェクターで特に評判がいいのってオーバードライブとかコーラス、ディレイなど、ナチュラルさや自然さ、キレイさが求められるエフェクターが多いんですよね。

” いかにナチュラルでキレイで、扱いやすい音を出すか ” ってところにこだわっているから、ファズを造る時も ” いかにファズの音を出すか ” とか考えちゃってそう。

そもそも、あえてダーティーな音を造るって発想がちょっと変。

技術力がなくてそれしかできなかった時代の、「 よっしゃ、歪んだ!最高だぜ! 」ってザックリさこそファズの魅力なのに、FZ-2は優等生過ぎたのかもしれません。

FZ-2 HYPER Fuzz レビュー・総評

率直なところ、一般的なイメージにあるようなファズではないですね。

ファズといえば「 どっじゃ~ん!どべべべべ~ 」っていうざっくりした歪みのエフェクターなのに、FZ-2は音が一般的にイメージするような海外ファズとは傾向が違う

しかもファズらしからぬきめ細やかで複雑なコントロールもまた、ハイパーファズの売れ行きに災いしてしまったようで。

BOSSらしいっちゃBOSSらしいところなんですけど。

そのためか、後継機種であるFZ-3は「 人々が思うファズ 」を強く意識したシンプルなものとなります。

正直見た目やネーミングだけ見るとFZ-3 Fuzzよりも本機FZ-2 HYPER Fuzzの方が後継機種っぽく見えます。BOSSコン初のファズなのにいきなりHYPER Fuzzですし。

多分、BOSSとしては一般的に思われているような普通のファズではなく、一定の方向性を持った個性的なエフェクターとしてのファズを造り、他社とは差別化を図りたかったのでしょう。

90年代になって新しく正統派のファズを造りだしたって、昔からある名機とまともになぐり合って勝てるわけはないですからね。

どちらにしてもファズファンは「 あのアーティストが使っていたあのファズサウンド 」を求めてしまうので難しいところ。

率直なところ、その方向性はあまり成功したとは言えない結果に終わりましたが…

BOSSはここでめげず、この後もFZ-3、FZ-5と、ファズの新しい方向性を模索しています。

特にFZ-5は往年の名ファズ3種を搭載し、切り替えて使えるなかなか優秀な子。

特に本機FZ-2よりはFZ-5の方が使い勝手はいいですし、FZ-3は古い日本製ファズのサウンドを収録した機種。

特にこだわりがなく色々使えるファズが欲しい方はFZ-5がオススメです。

BOSS
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販売期間・スペック・仕様

販売期間
1993年4月~1997年6月
製造国
台湾製
コントロール
LEVEL、TONE、GAIN、MODE
MODE
FUZZ I、FUZZ II、GAIN BOOST
接続端子
INPUT、OUTPUT、ACアダプター
消費電流
16mA
対応アダプター
PSA-100

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