名リバーブユニットをシミュレートしたFender Reverb
FRV-1 ’63 Fender Reverbは、1963年当時販売されていたフェンダーリバーブボックスをシミュレートしたリバーブペダルです。
BOSSがFenderとコラボしたレジェンドシリーズにおいて先行のFBM-1 ’59 Bassman、FDR-1 Deluxe Reverbに遅れること約2年半の発売となりました。
他のレジェンドシリーズ二機種はアンプをシミュレートしたモデルですが、本機FRV-1はアンプそのものではなく「 真空管増幅回路 & スプリングリバーブボックス 」、つまりアナログリバーブユニットのサウンドを忠実再現したモデルです。
今ではレジェンドシリーズでは唯一現行品として販売されているモデルでもあります。(2016年2月現在)
FRV-1のサウンド
Fender Reverbは真空管と本物のスプリングを使ったリバーブによる華やかで暖かみのあるサウンドが特徴で、世界的にも最も愛されているスプリングリバーブユニットです。
その音色は当時、楽器だけでなくボーカル用としても高い評価を受け、多くのレコーディングで使用されています。
中でも最も高い評価を得たのはやはりギターで、その心地よい揺れとどこか機械的な響きを思わせる共振音は特にサーフミュージックでは必要不可欠とされました。
サーフミュージックの他にもロカビリーからブルース、カントリーなどのジャンルでも多くのミュージシャンに愛用されまています。
本機FRV-1は中でも評価が高く人気があり、同じ年に発売されるFenderの名アンプTwin Reverbのリバーブシステムの基礎となった1963モデルをモデリング。
FRV-1はBOSS独自のデジタルモデリング技術COSMによりそのサウンドを忠実に再現しており、今どきの高品位なデジタルリバーブとはまた違ったアナログライクな妙味のあるリバーブサウンドを得ることができます。
FRV-1のDWELLツマミの意味・働き
FRV-1はオリジナルのFender Reverb同様3つのツマミを備えていますが、その中に見慣れないDWELLツマミが存在しています。
DWELLはリバーブのかかり具合だけでなくサウンドキャラクターをも同時に調整するツマミです。
右に回すほどにスプリングリバーブらしいウォームかつ華やかな音色が強調されます。
TONEは文字通りトーンツマミで、左に回すほど角のとれた暖かみのある音色で、右に回すほど高音域が強調されて音抜けがよくなります。
MIXERは原音とリバーブ音をどれだけの割合でミックスさせるかを決めるツマミ。
全体のかかり具合を調整するツマミとしても使えます。
(DWELLとMIXERのどちらかを左に回し切った状態ではリバーブ音は出ないので注意)
FRV-1 ’63 Fender Reverb レビュー・総評
見た目もレジェンドシリーズらしくカッコいいですし、音も最近のデジタルリバーブのような高品位だけれど音がクールすぎてどことなく物足りないような、そんなキャラクターとは正反対の面白い感じ。
最新のサウンドとしてはやはりデジタルリバーブの方が合うかと思います。
が、前述したようにサーフミュージックやブルース、カントリー、ロカビリーなどでちょっとレトロな雰囲気を出したい場合は最適なリバーブペダルといえるでしょう。
当時はスタンダードだったのでしょうが、今ではアンプでもちゃんとスプリングを仕込んでリバーブを出しているエフェクターって少ないんですけどね…
それをあえてデジタルでやるところがBOSSの遊び心といいましょうか。
Fenderと公式でコラボして、Fenderのロゴがパネル上に出ているのもなかなか乙な演出です。
ちなみに、数あるBOSSコンの中でもペダルのラバー部分に黒以外の色が使われているのは本機FRV-1と、同じくレジェンドシリーズのFBM-1のみです。
販売期間・スペック・仕様
- 販売期間
- 2009年7月発売~現行品
- 製造国
- 台湾製
- コントロール
- MIXER、TONE、DWELL
- 接続端子
- INPUT、OUTPUT、ACアダプター
- 消費電流
- 37mA
- 対応アダプター
- PSA-100