BOSSコン初のサンプリング機能を備えたデジタルサンプラー
DSD-2 Digital Sampler / Delayは、BOSSコンでも初めてのサンプラーペダルとして1985年に登場したデジタルサンプラーペダルです。
販売期間が1985年4月~1986年8月とかなり短いのですが、これは内部パーツ価格の低下を販売価格に反映するため、DSD-2を回路も機能もそのまんまで価格を安くしたDSD-3に切り替えたんです。
DSD-3はその後1988年12月まで販売されたので、実質の販売期間は3年と8か月と言えるでしょう。…それでも短いですケド。
ちなみに本機DSD-2もDSD-3も、全然売れなかった模様。
正直なところDD-2 Digital Delayのヒットで調子に乗って爆死してしまった感が…
早すぎたサンプラー
ペダルとしては一応ギター用ということになっていますが、ベースの音だろうが人の声だろうが、何の音でもサンプリングすることが可能。
とは言ってもサンプリングできる時間は最長でも800ms。つまりたったの0.8秒です。
2011年に発売されたRC-3 Roop Stationの録音時間180分に比べたら笑いが出るレベル。一応サンプリングした音にさらに音を重ねる多重録音もできますが、サウンドオンサウンドによるループプレイなんてかなりシンドイです。
にしてもリアルタイムでのサンプリングといい多重録音といい、やりたいことは明らかにRCシリーズ ループステーションに繋がるんですよね。
しかし当時の技術ではこれが限界だったのでしょう。
「 腐ってやがる。早すぎたんだ… 」
そんなつぶやきが聞こえてきそうな残念な逸材です。
DSD-2 Digital Sampler / Delay レビュー・総評
DSD-3で多少値下げが行われますが、本機DSD-2は26,800円と高価。
しかも機能と使い方がわかりにくい上に肝心のサンプリング機能の使い道が限られ過ぎてしまい、人気が出ませんでした。
その上、当時はまだまだマルチエフェクターも普及していない頃で、ギタリスト達はまだ多機能・複雑な操作系をエフェクターに慣れていない状態。色々と早すぎたんですよね。
単純に一つのペダルとしてみれば、ディレイとしての機能がディレイタイムが最大800msでDD-3と同等。
デジタルディレイとしてはそう悪くないので、中古で安く手に入るのであればそう悪くありません。
ただ、やはり現行品と比べてしまうとルーパーとしてもディレイとしてもちょっと物足りない感は否めないですね。
率直なところ、本機DSD-2では後々安物買いの銭失いになってしまう可能性もあります。
BOSS好きでコレクションアイテムとしての価値を見いだせない限り、素直にループステーションシリーズや別のディレイペダルを手に入れた方が無難かも知れません。
販売期間・スペック・仕様
- 販売期間
- 1985年4月~1986年8月
- 製造国
- 日本製
- コントロール
- E.LEVEL、TIME、F.BACK、MODE
- MODE
- DELAY、SAMPLER
- 接続端子
- INPUT、OUTPUT、TRIG.IN、ACアダプター
- 消費電流
- 45~60mA
- 対応アダプター
- PSA-100