DD-5の反省を活かしつつ、正当進化させたDD-6
DD-6 Digital Delayは、最大5.2秒ものロングディレイを実現した新世代のディレイペダルです。
前身機種であるDD-5で築き上げた多機能路線を引き継ぎつつより洗練され、直感的にも使いやすいインターフェイスになりました。
世界初のコンパクトサイズとして世に出たDD-2から数世代を経て、更にBOSSデジタルディレイの地位を盤石にした化け物機です。
DD-6のサウンドなど
耳障りで嫌味なデジタルっぽさもなく、なんともいい意味で優等生。
さすがデジタル機器でも数々の名機を生み出してきたRolandを母体に持ち、自身も多くのデジタル機を世に生み出してきたBOSS。
技術力、サウンドに関しては全く付け入るスキがありません。
ディレイタイムは最短1ms~最長5200ms。
この頃、価格は変わらずにに大容量化していたコンピューター用のメモリーを流用することでこれだけのロングディレイを実現した、なんて開発秘話があります。
DD-6の新機能やら使い方やら
BOSSコンパクトエフェクターで初のステレオ入力搭載
実はBOSSのコンパクトエフェクターで初めてステレオインプットを搭載したのがDD-6です。
これ、ディレイペダルとしては超実用的なお話!
DD-6で搭載された新機能の中で一番実用的なのはステレオ入力じゃないでしょうか。
普通のディレイだとギター一本だけにしかかけられませんけど、これなら複数のギターに全く同じディレイをかけることが可能です。
(もちろんギターだけでなく、ベースやらキーボードやらなんでもいいんですけど)
他にもステレオアウトのエフェクターの後にディレイをかけたい場合なんかに非常に役に立ちます。
新機能WARPモード
WARPモードは本機DD-6で新たに搭載された新モードです。
その名の通りワープゾーンにでも入ったかのような幻想的な音を出せるモードです。
面白いところは、WARPモードはペダルを踏みっぱなしでその効果が表れる点。
踏んでいない時は普通のディレイとして働き、踏みっぱなしの間だけエフェクトレベルとフィードバック量が上がって無限フィードバック的な音が出ます。
またペダルから足を離せば元通り設定した状態のディレイにシームレスに戻るため、断続的にワープモードにしたりと、外部ペダル無しでリアルタイムな操作ができます。
ただスイッチをオン / オフするだけでなく、踏み込んでる間だけフィードバックが上がる感じが他のエフェクターとはまた違った面白さを生み出していますね。
なお、効果の特性上、E.LEVELとF.BACKWARPモードを使うときはE.LEVELツマミとF.BACKツマミの設定は控えめに。
HOLDモードの強化とサウンドオンサウンドによるループサウンド
ディレイタイムの延長により、HOLDモードで音を録音できる時間も最大5.2秒に。
しかし進化したのは録音できる時間だけではありません。
なんと、音のオーバーダビングができるようになりました。
一度録音したサウンドに更に音を重ねることが可能です。
DD-6のHOLDモードでのサウンドオンサウンドこそが、後に発売され大ヒットするループステーションのハシリです。
DD-6 デジタルディレイ レビュー・総評
BOSSコンパクトシリーズの正統派デジタルディレイであるDDシリーズとしては4機種目(※)として出たDD-6。(※DD-2とDD-3はほぼ同じなので)
ステレオインプットや革新的なWARPモードとサウンドオンサウンドなど、かなり完成度が高い。
前身機種であるDD-5の多機能路線を引き継ぎつつコントロールパネルの表示を刷新して直感的に使いやすくなった点もGOOD。
その完成度の高さからDD-3と併売されながら、最新機種として長い間BOSSコンデジタルディレイのラインナップを支えました。
後継機種であるDD-7もDD-6の延長線上である辺り、その完成度の高さが伺えるでしょう。
もちろん性能・機能面で見れば後継機種のDD-7の方が上位互換で優れてはいますが、そこまでの機能は必要ない場合は、本機DD-6を中古で手に入れる手もあります。
販売期間・スペック・仕様
- 販売期間
- 2002年9月~2008年4月
- 製造国
- 台湾製
- コントロール
- E.LEVEL、F.BACK、D.TIME、MODE
- MODE
- 80ms、300ms、800ms、2600ms、REVERSE、HOLD、WARP
- 接続端子
- INPUT(MONO)、INPUT(STEREO)、OUTPUT【A】、OUTPUT【B】、ACアダプター
- 消費電流
- 55mA
- 対応アダプター
- PSA-100