驚きのなぜ今更VB-2が技クラフト化?
世界最大の楽器ショウ NAMM SHOW2016でVB-2 Vibratoをベースにした技クラフトシリーズ VB-2Wが発表された時、驚いた方も少なくなかったかと思います。
今まで技クラフトシリーズって実用性が高く人気の高いエフェクターばかりが選ばれてきたんです。超ロングセラーSD-1 SUPER OverDriveやアナログディレイの名機DM-2 Delayみたいな。
決してVB-2が不人気とは言いませんが、実際販売期間が4年とBOSSコンパクトエフェクター中では短命な部類であることは事実。
人気自体もどちらかといえば使い勝手よりもBOSSの中でも割と初期のモデルで、レア度が高く、単機能でロマンのある機種だったから。ある意味SG-1 Slow Gearみたいな人気です。
そんなVB-2が廃番から30年経った今になって技クラフト化されたもんだから、SG-1W やら XT-2W Xtortionやら色々な妄想が捗ったわけですが……
実は、BOSSの戦略というか深い思惑があってのVB-2W発売なのではないかと管理人は睨んでいます。
理由は原点回帰への想い?
売れ線とは言いがたいビブラートペダルをわざわざVB-2Wとして復刻させたのは、BOSSコン40周年を迎えるにあたって原点回帰への想いがあったからではないでしょうか。妄想&妄想、管理人の勝手な推測ですけど。
元はと言えばVB-2は名機CE-1 Chorus Ensembleの片割れなんです。
CE-1はBOSSコンパクトシリーズが出る前に好評だったJC120(通称ジャズコ)のエフェクト部分を抜き出した名器。そしてそのジャズコは、BOSS、ひいてはRolandをここまで躍進させた功労者です。
みなさん使うとしてもコーラスばかりでイマイチピンとこないかもですけど、ジャズコにはコーラスだけでなくビブラートエフェクトもついており、CE-1にもちゃんと搭載されていました。
その後今のコンパクトシリーズが確立され、コーラスがCE-2 Chorusとして独立し、ビブラートもビブラートでVB-2 Vibratoとして独立しました。
BOSSとしては、Roland・BOSSの原点とも言えるJC120とCE-1の片割れであるビブラートVB-2をいま持てる最大のアナログ技術でもって復刻させることで、原点回帰を図っているのではないでしょうか。
実際、VB-2Wの発売からわずか3か月でもう一つの片割れであるCE-2もCE-2Wとして技クラフト化されています。
この2機種が再び揃ったこと自体が、「 アナログの良さ 」を追及する技クラフトシリーズの意義を体現しているようにも感じます。
なぜ今更VB-2 Vibratoを技クラフト化?まとめ
そもそも、技クラフトシリーズのコンセプトはコンパクトエフェクターもデジタル化が進んでいる昨今の流れに逆らい、アナログの良さを再発見しようというもの。
そんな技クラフトにおいて、BOSSの原点ともいえるCE-1に搭載されていたVB-2を技クラフトシリーズと化すのは、当然の流れの一つと言えるのかもしれません。
後はそれなりに売れてくれて、すぐに廃番になるようなことだけなければ、と思うんですけど…
一つ本機VB-2Wのすぐ後に出たCE-2Wがほぼ完全にCE-1の機能を網羅し、ビブラート機能まで持っている点が気にかかるところです。