世にも珍しいビブラート専用エフェクター
VB-2 Vibratoは名機CE-1のビブラートエフェクターだけを受け継いだビブラートペダル<です。
CE-1といえばBOSS名義初にして名コーラスペダルですね。ちなみに、CE-1の後継機種であるCE-2 Chorusのキャッチフレーズは「 CE-1を半分だけ分けてあげます 」。
残り半分であるビブラートは本機VB-2 Vibratoが受け持ったってワケです。
そういう意味では本機VB-2とコーラスのCE-2は兄弟機ともいえるでしょう。
VB-2のキャッチフレーズとサウンド
そんなVB-2のキャッチコピーは、「 CE-1のもう半分はコチラです! 」
…なんてものではなく、
「 ご使用をお断りする場合もあります。― BOSS 」
というちょっと衝撃的なもの。
このキャッチフレーズの下に「 ビギナーはヴィブラート・テクニックを習得してからご購入ください 」なんてコピーがついていたそう。
まだビブラートできない人がVB-2を使うと一生ビブラートできなくなるからやめとけ、ってワケです。
さすがに冗談でしょうが、確かに納得したくなるくらいキレイなビブラートをかけてくれる面白いエフェクターです。
しかも普通に手でやった時のようなビブラートだけでなく、手動では難しいようなより深く早い音の揺れも可能です。
VB-2のMODEスイッチの使い方とラッチモード・アンラッチモード・バイパスモード
本機VB-2についているMODEツマミは音色のキャラクターを切り替えるツマミではなく、ペダルによるオン / オフ操作の効き方を切り替えるスイッチです。
まずラッチモード(LATCH)では他のエフェクターと同じく、踏むたびにエフェクトのオン / オフが切り替わります。
そして、アンラッチモード(UNLATCH)はペダルを踏んでいる間だけビブラートがかかるモード。
ビブラートをかけたい間だけペダルを踏み、ビブラートを終えたい時には足を離せばいいので、ピンポイントでのエフェクトのオン / オフ切り替えが可能です。
ただ、ラッチモード、アンラッチモードではエフェクトがオフの時でも回路内部BBDを通っており、エフェクトをオフにしていても厳密にはバイパス状態とは言えません。
オン / オフ時の音のつながりの不自然さを消すために、音の信号を常にBBDを通しておく必要があるのです。
実はVB-2には、オン / オフでいきなりビブラートが始まったりプツンと終わってしまうと不自然なので、RISE TIMEで設定に従って少しずつ揺れが始まり、また終わる機能がついています。
バイパスモード(BYPASS)はVB-2がオフの時にはこのBBDを通過させずバイパスさせモードとなっています。
(ペダルの動作はラッチモードと同じく、踏む度にオン / オフが切り替わる)
細かい使い勝手を考えている辺りがBOSSらしいですね。
特にアンラッチモードはアンラッチタイプのスイッチを使った電子スイッチ搭載でないと実現ができません。
この時代に機械式スイッチではなく電子スイッチを採用していたのは結構珍しいですから、この機能自体もBOSSならではといえるでしょう。
VB-2 Vibrato レビュー・総評
にしてもビブラート専用のペダルなんてなかなか珍しいですよね。
1990年台から2000年台にかけてのBOSSコンは色々な機能詰め込み過ぎて一つ一つのスゴさが霞んでしまうほどですけど、初期のBOSSコンはSG-1 SlowGearといい本機VB-2といい、こういう単機能エフェクターも結構出してます。
ただ、手動でもできちゃうビブラートだけの単機能エフェクターなのが仇となったか、あまり売れず販売期間も台数も伸びずに廃番になりました。
そのため、現在では結構レアなBOSSコンの一つです。
この単機能だけで買うのはちょっと…な感じは正直ありますけど、多機能の中の一つの機能としてはちょっと欲しいなぁ、なんて思うところですね。
やはり機能がマニアックすぎるので実戦で使うエフェクターとしてよりもコレクションアイテムとして人気な模様。
非常に面白い単機能ペダルではあるんですけどね…
ちなみに、その後2016年3月に技クラフトシリーズVB-2W Vibratoとして復活を遂げています。
詳しくは下記リンクよりどうぞ。
販売期間・スペック・仕様
- 販売期間
- 1982年4月~1986年4月
- 製造国
- 日本製
- コントロール
- DEPTH、RATE、RISE TIME、MODE
- MODE
- LATCH、UNLATCH、BYPASS
- 接続端子
- INPUT、OUTPUT、ACアダプター
- 消費電流
- 10mA
- 対応アダプター
- ACA-100