BOSSコンパクトシリーズ史上最もレア!?なエフェクター
SP-1 Spectrumは、OD-1 Over Drive、PH-1 Phaserと並びBOSSコンパクトエフェクターとして初めて発売された3種の内の1機です。
BOSS内部では緑・黄色・赤の信号シリーズ、マニアの間では三種の神器の内の一機ってワケです。
しかし3機の中でも本機SP-1 Spectrumはビンテージエフェクター通の中では有名ながら見かけることはほとんどなく、一般の方にはあまり知られていない幻のエフェクターです。
その理由についても後ほど詳しく解説しましょう。
Spectrumとはどんなエフェクター?
SP-1 Spectrum(以下スペクトラム)はブーストだけできる1バンドのパラメトリック・イコライザー、いわゆるパライコです。
(※バンド数=設定できる周波数帯域の数)
たとえばミッドブースターってありますよね。クラプトンモデルのストラトに搭載されていたりするヤツ。
あれは『 ミドル=中音域くらいの音だけ持ち上げますよ! 』ってエフェクター。
スペクトラムは音をブーストするだけでなく、どこの音を持ち上げるか 周波数も自由に設定できるイコライザーなのです。
ワウの半止めサウンドも
実はワウも構造上はパライコの一種と言えます。
パライコで持ち上げる周波数の中心をペダルでグリグリ変えて低音と高音の間を行き来することで、あの独特なワウワウサウンドになるんです。
スペクトラムでも音を出しながらSPECTRUMツマミをぐりぐりすればワウみたいな音になります。
ペダルがないので実際にはワウワウさせるのは無理がありますが、反対に言えばワウの半止めサウンドが簡単に出すことができるんですよね。
ワウワウはさせないで半止めサウンドを出すだけなら、スペクトラム一つ何も重くてデカいワウペダルを持ち歩かなくてもスペクトラム一つあれば解決ってワケなのです!
素晴らしい!!
スペクトラムが手に入れば、ですが…
なんならスペクトラムのツマミを足でクイックイッてやればワウもいらないかも!?
いやそこは素直にワウでいいですよね…うん…
SP-1は高い!とにかく高値で取引!
残念ながら、スペクトラムは先述の通り初期3機の中でもっとも人気がありませんでした。
そのお陰(?)もあって販売台数は少なく、今ではBOSSコン史上最もレアで最も高価なビンテージエフェクターとして、エフェクター愛好家の中では有名。
「 スペクトラムなんて初めて知った 」
って方は、真っ赤な筐体とSP-1 Spectrumの名前、よく憶えておいてください。
いつかどこかで出合った時に即買いできるように多額の現金も持ち歩きましょう。
BOSSマニアであればいつスペクトラムと出会ってもいいように買えるだけの現金を持ち歩くのがマナーです。(嘘です)
BOSSマニアからすれば垂涎もの、持っているだけでヒーロー。
そんな幻のエフェクターが、SP-1 Spectrumなのです。
コントロールツマミ(BARANCE / SPECTRUM)の効果と意味
SPECTRUMツマミ:持ち上げる周波数の中心を500Hzから5KHzまで設定する。
左に回すと周波数が低音側に、右に回すほど高音域に動く。
BARANCEツマミ:SPECTRUMツマミで決めた中心周波数と一緒に持ち上げる周辺周波数の範囲を設定する。
左に回すほど山がならだかになって幅広く周りの周波数を巻き込んでブーストする。
右に回すと反対に持ち上げる部位の形が急峻な山のような形になり、中心周波数の周囲の狭い範囲のみのブーストします。
スペクトラム総評
こんな幻の機種で実用性を語るのもナンセンスな気はしますが…
どう考えてもパライコよりもグライコの方が使いやすいですし、スペクトラムの後にはバンド数も増えたパライコも出ているのでスペクトラム自体、実用性はあまりないと言ってもいいでしょう。
しかし実用性なんてどうでもいいのです。
誰もが憧れる美しい真っ赤な筐体!
BOSSコン初期の3種の内の1機にして最もレアな幻のエフェクター。
ロマンがあるとは思いませんか?
その後2017年に、BOSSコン生誕40周年記念としてBOSSコン最初の3機種SP-1 Spectrum、PH-1 Phaser、OD-1 OverDriveを復刻させた限定復刻プレミアムボックスの発売が発表されました。
全世界1500セット限定で8月26日に発売。
価格は97,200円と高価ながら人気のOD-1、プレミアのついているSP-1のの初復刻ということで話題になりました。
販売期間・スペック・仕様
- 販売期間
- 1977年11月~1981年11月
- 製造国
- 日本製
- コントロール
- BALANCE、SPECTRUM
- 接続端子
- INPUT、ACアダプター
- 対応アダプター
- ACA-100