バイオリン奏法のみの単機能飛び道具系ペダル
SG-1 スローギアは、バイオリン奏法を自動的に行ってくれる超ユニークなエフェクターです。
とりあえず真っ黒な筐体に2つツマミがクールでカッコいいですよね。
しかし、機能はたったそれだけです。
…それだけなんです。
エレキギターだけでなくベースはもちろん、キーボードなどの電子楽器なんかでも使用することができます。
バイオリン奏法(ボリューム奏法)とは
バイオリン奏法とは、ギター側でボリュームをゼロに絞った状態で弦を弾き、徐々にボリュームツマミを回して解放する奏法。
ボリューム奏法とも呼ばれる奏法で、これによって弾き始めは音がせず、後から徐々に音がするようになります。
これによってアタック音のないサウンドが得られ、そのなめらかな音がバイオリンの音色に似ていることからバイオリン奏法と呼ばれている、というワケです。
ギター本体のボリュームツマミだけでなく、ボリュームペダルを用いる場合もあります。
SG-1 スローギアの最大の特徴
SG-1の最大の特徴は構造上バイオリン奏法が難しいエレキギターや、手動では不可能なある程度早いフレーズでもバイオリン奏法が可能な点ですね。
例えばレスポールのようにボリュームツマミが手元から遠いギターでもバイオリン奏法が可能なのです。
エフェクターとしての分類はちょっと難しいところですが、音量を自動的に動かすペダルなので本サイトのカテゴリー上では一応トレモロということにしています。
回路図や中をみたことのない管理人、勝手にピッキングごとにリセットされるLFOに信号を載せているんじゃないかと妄想していましたが…
しかし開発陣によると、ノイズゲートペダルであるNF-1 NOISE GATEの回路を使おうと思ったところから開発がスタートし、結局はNF-1とは逆の働きをさせることによって実現したとか。
管理人が思っているような単純な回路ではないのかも?
SG-1 Slow Gearツマミの働きと意味
SENS(センス・センシビティ)
SENSツマミは接続する楽器の出力に合わせて本機スローギアの入力レベルを調整するツマミです。
ハムバッキングピックアップのギターやベース、その他出力の大きい機材をつなぐ場合は、その大きさに合わせて左に回します。
反対に、シングルコイルピックアップのギターなど出力の小さい楽器をつなぐ場合は右に回します。
ATTACK(アタック)
ATTACKツマミはその名の通り音のアタック部分、つまり音の始まりの部分を調整するツマミ。
音の信号がスローギアに入力されてから出力されるまで、どれくらい遅らせるかを調整します。
マルチエフェクターに搭載されたスローギア
その使い道の少なさからか、本機スローギアの販売期間は3年弱とかなり短命。
しかし、これまたなぜか販売完了後に人気が出ました。
プレミアのお陰なのか何なのか…やはり人は失って初めてその大切さに気付くものなんですね。
その後、BOSSマルチエフェクターのSE-70やGT-5などに復刻搭載されました。
管理人も歓喜、みんなもHAPPY。これだけの飛び道具だと、マルチエフェクターに入っているくらいでちょうどいいのかも知れません。
使うかといわれれば微妙なところですけど。
SG-1 SlowGear レビュー・総評
ST-1自体、BOSSコンとしてはかなり初期のモデルで出荷台数も少ないため、今ではそれなりにプレミアがついておりしばしば高価で売買されています。
このインターネット最盛期、金さえ出せれば手に入れること自体はできると思いますけど…
楽器店時代に1度だけ買取で実物に触れたことはありましたが、完全に飛び道具、全くもって実用性はありません。
使い道も難しいし、他に代用できる手段も多い。でも、カッコいいんですよね。スローギアのこの真っ黒な筐体に銀ネジ。
どちみち古いBOSSコンはほとんどコレクション品と化してますし。
スローギア。BOSSコン好きとしてはぜひいつか手に入れておきたい一品です。
販売期間・スペック・仕様
- 販売期間
- 1979年5月~1882年2月
- 製造国
- 日本製
- コントロール
- ATTACK、SENS
- 接続端子
- INPUT、OUTPUT、ACアダプター
- 消費電流
- 3.9mA
- 対応アダプター
- ACA-100