PSM-5 Power Supply & Master Switch(パワーサプライ&マスタースイッチ)

PSM-5 Power Supply & Master Switch(パワーサプライ&マスタースイッチ)

BOSSコン初にして唯一のパワーサプライ

BOSS PSM-5 POWER SUPPLY and MASTER SWITCH パワーサプライ&マスタースイッチイラスト

独特な外観を持つパワーサプライ&マスタースイッチ。

パワーサプライであると同時にスイッチャーでもあるマルチプレイヤー、それが本機PSM-5 POWER SUPPLY & MASTER SWITCHです。

エフェクターとしての機能は全くなく、他のエフェクターへ電源を供給することとスイッチャーとしての機能以外は持ちません。

音は全く変えることがない、そもそもつまみがない。

BOSSコンパクトシリーズの中でも異彩を放つペダルです。

PCM-5 開発経緯

BOSSのエフェクター専用キャリングケース BCB-6

BOSSのエフェクター専用キャリングケース BCB-6。

本機PCM-5は元々、BOSSのコンパクトエフェクターを6台収めることができる専用キャリングケース BCB-6に合わせて製作されました。

いうなればBCB-6のために造られた専用パワーサプライ・スイッチャーといったところでしょう。

もちろん、BCB-6に組み込まずとも使うこともできます。

なお、BCB-6は既に廃番になりましたが、後継機種のBCB-60が現行品となっています。

マスタースイッチとしての機能面

本機PSM-5のメイン機能は二つあり、その一つがマスタースイッチとしての機能。

PCM-5のセンド&リターン端子に他のエフェクターを組み入れることにより、センド&リターン間のエフェクターの一括操作やエフェクターを使わない時の接点・配線の短縮が可能です。

BCB-6と組み合わせて複数のエフェクターとのシステムを組むことを想定したことがよくわかる機能です。

ただのパワーサプライで終わらせずもう一工夫、なんともBOSSらしいですね。

ちなみに、本体のペダルはこのセンドアンドリターン回路のオン / オフをコントロールするために使います。

BOSS初の2色LED

実は本機PSM-5、BOSSで初めてインジゲーターに二色LEDを搭載したモデルでもあります。

センドリターン回路の状況がやわりやすいよう、マスタースイッチがオンで赤 / オフで緑 となります。

パワーサプライとしての機能

パワーサプライとしての機能は9Vのエフェクターであれば、最大7台・200mAまで安定して電源を供給できる能力を持っています。

しかし、パワーサプライとしての使い勝手は率直なところちょっと微妙ですね。

まず9Vのアダプターをコントロール部上面の9V IN、モグラ顔の鼻にあたる部分に差し込みます。これはいいとして、問題は9Vのアウトプット部分。

他のBOSSコンパクトエフェクターの電源アダプターを差し込む部分が9Vのアウトプットになっており、ここから他のエフェクターへ電源供給ができるのですが…

このアウトプットが一つしかないのがとても残念なんです。一応、7ユニット用のパラレルDCコードが付属していたんですけど、どうしてもパワーサプライとしての使い勝手は微妙と言わざるを得ません。今時9Vアウトプット複数あるパワーサプライもたくさんあるのに。

パワーサプライとしては使い勝手が良いとはちょっと言い難いですね。パラレルコード使うくらいなら、今時はこんな大げさなものなくても、アダプターから直にパラレルで電源分けることが出来ますからね。

マスタースイッチ部分の使い勝手はそう悪くないだけに残念……

なお、当時エフェクターに電源をパラレルで送ることは一般的でなく、付属のパラレルコードもPSM-5と同時に作ったのだそうです。

PSM-5 Power Supply & Master Switch レビュー・総評

パワーサプライとしてはちょっと中途半端ながら、マスタースイッチ機能はそう悪くありません。

ただ、配線の取り回しが少し気になるところ。

必ず使うであろうGUITAR端子(インプット)とAMP端子(アウトプット)、そして電源アダプターをつなげるDCインプット端子がコントロールパネルの上部にあります。

シールドやアダプターのを縦にぶっ挿す必要があるのです。せめて9Vのインプットとアウトプット、通常ラインとセンド&リターンの端子を逆にすればよかったのに。

理想としてはシールドをつなぐ端子は全部横に配置、9Vインプットは通常通り側部上面で、コントロールパネル面に9Vアウトプットを8個くらい並べて欲しかったところ。

どちらにしても、パワーサプライとスイッチャーの複合機として考えればなかなか優秀ですが、単体として考えると機能・使い勝手は中途半端です。

よほどセッティングにマッチするのでもなければ、今更わざわざ探す必要はないペダルと言えるでしょう。

実のところ同じくBOSSコンパクトエフェクターのラインセレクターペダルであるLS-2 Line Selectorがパワーサプライとしてもスイッチャー(というかラインセレクター)としても完全に上位互換で、実質後継機種と言えます。

コレクション目的以外でわざわざPSM-5を探すくらいなら、新品で出回っているLS-2をササッと買った方が使い勝手の面でも手間の面でもスマートです。

なお、下記スペック部分で消費電流を13mAとしていますが、これはマスタースイッチ部分のみのデータです。

パワーサプライとして他のエフェクターに電源を供給した場合、その分が加算されますのでご注意ください。

販売期間・スペック・仕様

販売期間
1983年1月〜1999年1月
製造国
日本製・台湾製 両方あり
接続端子
AMP、GUITAR、SEND、RETURN、9V OUT、ACアダプター
消費電流
13mA
対応アダプター
PSA-100

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