BOSS初のトレモロペダル PN-2
PN-2はBOSSのトレモロ第一号であり、BOSSでも唯一純粋なパンニング機能を持ったペダルです。
トレモロ自体はかなり昔からあるエフェクトですが、BOSSは90年になってようやくコンパクトエフェクター化しました。
80年代はデジタルディレイやデジタルリバーブなど先進的なエフェクターをコンパクトサイズ化して絶好調だったので、レトロなエフェクターであるトレモロをわざわざ造ろうとは思わなかったのかもしれません。
それらが一通り落ち着いた90年代に入ってようやく、ラインナップに追加して欲しいと求める声の多かったトレモロにも手が回ったのでしょう。
この辺りはファズペダルのFZシリーズと事情が似ていると言えば似ていますね。
PN-2のサウンドとトレモロというエフェクター
トレモロとは周期的に音量を上下してくれるエフェクターです。要は音量を自動的に上げたり下げたりして揺らすちょっと変わったエフェクトですね。
揺れるスピードを速くし、かなり深くかければ、すごいスピードで音が出たり消えたりするマシンガン奏法的なサウンドも出せます。
逆に揺れるスピードを遅くして浅くかければ心地の良い緩いトレモロサウンドも可能。しかしこの頃、技術力的にはノリにノっていたBOSS。
ただのトレモロとして出すことは面白味がないということで、2 INPUT / 2 OUTPUTと豪華な仕様にしてパンニング機能まで搭載しました。
パンニングとはどういうエフェクター?
パンニングとは、左右のスピーカーから交互に音を出すエフェクトのことを言います。
他ではRV-2 Digital Reverbにも残響音が左右から出てくるパンニングディレイ機能があったんですけど、これはあくまでもディレイとして働きながら残響音がパンアウトされるものでした。
本機PN-2のパンニングは純粋に原音そのままのサウンドが左右のアンプから交互に出力されます
なんだかツマミが複雑そうですが、パンニングかトレモロかとそれぞれの波形をモードスイッチで選び、後はDEPTHツマミで深さを、RATEツマミでスピードを調整するだけ。
一番左にあるLEDインジゲーターは、スピードを調整するLFO回路と同期していて、音量の揺れに合わせて点滅してくれる優れもの。
これによって揺れるスピードを視覚的に把握することができます。
トレモロのエフェクト自体はシンプルですが、設計上では結構奥が深く、意外とメーカー毎に特色があったりします。
PN-2はパンニングも含めて特に個性のあるトレモロペダルで、かなり人気が高いです。
PN-2 トレモロ・パンニング総評
本機PN-2は、パンニング機能といいLFOと同期して揺れるスピードがわかるインジゲーターといい、トレモロペダルとしてかなり素晴らしい機種です。
強いて弱点を言うなら、タップテンポ機能がない点だけが残念。
でもタップテンポってデジタルで設計ないと無理しょうから、それはそれでアナログエフェクターとしての魅力が失われるし、これで良いのではないかと。
実は管理人、実質後継機種であるTR-2 Tremoloは持っているんですけどね。今思えばPN-2の方が欲しかったな…
トレモロが必要になった当時、管理人はまだまだBOSSコンどころかエフェクターに詳しくなくて、そんなものがあることすら知らなかったんです…
わざわざ買い替えるほどのものでもないと思ってそのままですけどね。そもそもトレモロの出番ってかなり少ないですから…
なお、管理人は実物は見たことはありませんが、BEHRINGERが本機PN-2丸パクりのTR300 ULTRA TREMOLO / PAN って機種を出していた模様。
こちらも既に廃番になっています。
販売期間・スペック・仕様
- 販売期間
- 1990年5月~1995年3月
- 製造国
- 台湾製
- コントロール
- DEPTH、RATE、MODE
- MODE
- PAN(矩形波)、PAN(三角波)、TREMOLO(矩形波)、TREMOLO(三角波)
- 接続端子
- INPUT【A】、INPUT【B】、OUTPUT【A】、OUTPUT【B】、ACアダプター
- 消費電流
- 20mA
- 対応アダプター
- PSA-100