まだ未熟さが垣間見えるBOSSコン初のグライコペダル
GE-6 Graphic Equalizerは、1978年に登場したBOSSコンパクトエフェクター初のグラフィックイコライザーです。
その3年後の1981年6月に販売を完了しており、少々短命ですね。
しかしご安心を。
別に売れなかったわけではなく、後継機種のGE-7 Equalizerの投入が早かったためです。
GE-6の調整帯域と可変域
- 100Hz
- 200Hz
- 400Hz
- 800Hz
- 1.6KHz(1600Hz)
- 3.2KHz(3200Hz)
GE-6の調整可能な音域は全部で6バンド。
当時のコンパクトサイズのグラフィックイコライザーでは核となる中央の帯域は1000Hzが主流でしたが、BOSSは差別化を図り、中心周波数帯を800Hzに設定して個性を演出しています。
また、可変域が±15dBと広い点も特徴。MXRのグライコの±12dBに負けないために大きい数値に設定しました。BOSS開発陣の意地です。
ちなみに、コンパクトエフェクターシリーズの前にBOSSが出したグライコ GE-10 Graphic Equalizerは±12dBでした。
本機GE-6以降のBOSSグライコはツインペダルシリーズのEQ-20 Graphic Equalizerも含め、全て可変幅±15dBが伝統となります。
オン / オフが切り替えできるのは革新的だった
BOSSコンパクトエフェクターシリーズなんだから当たり前ですけど、フットペダルでグライコのオン / オフの切り替え可能です。
こ、こんなに嬉しいことはない…!グライコで切り替え出来るなんて今ではごく普通のことですよね。
でも、本機GE-6が出た頃はまだ、オン / オフの切り替えができるグライコはまだあまりなかったんです。
GE-6の前からあったGE-10も常時つけっぱなしでオン / オフの切り替えができませんでした。
グライコの役割は音の調整・補正なので別段かけっぱなしでも問題ないと言えばないですけど、やはり切り替えができると音の使い分けができるようになって、使い勝手がぐんと増します。
そういう意味では、ペダルとしての基礎が優秀なBOSSコンパクトエフェクターシリーズにグラフィックイコライザーを迎え入れたのは、なかなかの英断だと思います。
というか、今時の切り替えできないグライコなんて絶対売れないです…
ただ一つ、設定によっては切り替え時に音量差が出てしまう問題もありますが…
コレクションアイテムとしてのGE-6
ちなみにGE-6、発売は1978年とBOSSコンとしてはかなり初期のモデルで、銀ネジの個体も存在しています。
コレクションしたい方にはぜひとも銀ネジを狙って頂きたいところ。ただ、これはBOSSコンのグライコ全般に言えることですが…
イコライザーツマミのノブ部分が割れやすい弱点があります。
現行品であるGE-7の中古ですら大抵1つか2つかはノブが割れた状態で出回っているんですよ。
ノブが割れたからと言って本体が壊れるわけではないので機能としては全くなんの問題もないのですが、キレイな個体を探すのはちょっと大変かもしれません。
GE-6 グラフィックイコライザー 総評
グライコで6バンドは少ないような感も否めませんが、ギターにとって美味しい帯域は押さえていますし、シンプルで扱いやすいペダルかと思います。
ただ、後継機種のGE-7には音量調整用のLevel調整ツマミもついているうえに調整帯域も1バンド増え、本機GE-6は完全に下位互換。
GE-6が出た当時のパーツの事情で、BOSSコンパクトエフェクターの筐体にはスライダー6個収めるのが限界だったのです。
その後GE-7を出す頃にはスリムなスライダーのパーツが出回ったため、さっそくスライダーをこれまた限界の8個入れて調整帯域7バンド+LEVELパラメーターを入れたGE-7を出し、本機GE-6と入れ替えてしまったんです。
だからGE-6は販売期間が短いんですよね。
それもあって出回っている数も少ないですし、もし実戦で使うグライコペダルを探すのであれば、わざわざ本機GE-6を探すより後継機種&現行品であるGE-7を買った方が無難です。
もちろん、コレクション目的であれば探してみるのもいいと思いますけどね。
販売期間・スペック・仕様
- 販売期間
- 1978年1月~1981年6月
- 製造国
- 日本製
- コントロール
- LEVEL、100、200、400、800、1.6k、3.2k
- MODE
- LEVEL、100Hz、200Hz、400Hz、800Hz、1.6KHz、3.2KHz(全帯域プラスマイナス15dB)
- 接続端子
- INPUT、OUTPUT、ACアダプター
- 対応アダプター
- ACA-100