地味系エフェクターペダル筆頭 エンハンサー
なにかとアンサンブルの中で埋もれがちなギター・ベースの音を高音域、倍音を中心に補正することで音に存在感を与えるのが、本機EH-2 Enhancerの効果です。
ギターやベースの高音域って、何かと劣化しやすいんですよね。エフェクターをたくさんつないだり、シールドが長すぎたり、配線の問題だったり…
ドラムや他の楽器に埋もれないよう、音を際立たせる効果もあります。
エンハンサーなんて聞き慣れない名前ですけど、ジャンルとしてはフィルターでしょうか。
エキサイターに近いものとも言われています。
エンハンサーの効果と音
先述の通り、エンハンサーは高音域を補正してぼやけがちな音の輪郭をハッキリさせてくれる補正系フィルターですね。
高音域を強調するというよりは補正してくれるもので、倍音を増やしてくれるので音抜けもよくなります。
それでいて硬質な音にはなりにくくかなり自然なサウンドで、アルペジオやコードプレイにもすごくあいます。
ピッキングの強弱によってフィルター効果をかける強さをコントロールしていることが特徴で、これがただのハイブースターやイコライザーとは決定的に違う点です。
お陰で、エフェクターをかけて音を変えたというよりギターの音がよくなったような印象を受けます。
ただ劣化を減らすするだけでなく、アンサンブルの中で音が埋もれないようにしてくれるのも特徴。
それでいて自然な素の音に聴こえるのがいいですね。
開発陣的には自然なかかり具合にこだわったらしく、「 お、かかってるぅ~ 」とわかるほど強くかけたのでは不自然。
エンハンサーがオフになった時に「 あ、かかってたんだ 」とわかるくらいがちょうどいいくらいでしょう。
この自然過ぎる点が効果の地味さに直結したんですけどね。
その特性から効果がないと思われがちですが、ベースにも効果があります。
低音ばかりではなく高音域をハッキリさせたいときなんかにいいですね。高音域が補正される分音抜けがよくなるため、スラッピングなんかにもあいます。
ちなみに、原音を自然に補正するエフェクターですので、他のエフェクターたちよりも手前、というかギターやベースのすぐ後につなぐのがセオリーです。
EH-2 エンハンサー レビュー・総評
このエンハンサーってエフェクター、正直相当地味です。
エフェクターと言っていいのかと思うほど。
実際、外国では
「 ジーザス!こんなのただのバイパスペダルじゃないか!ファッ〇ンBOSS!!フゥー!!! 」
なんて声が噴出したことがあるくらい。(一部妄想混じり)
BOSSコンタクトエフェクター地味~ズの中でも筆頭と言えるでしょう。
色までも地味め。ぶっちゃけあまり売れませんでした。
管理人も持っていたわけではなく試奏をした程度ですが、確かに効果はあって、普通に欲しくはなります。
が、ぶっちゃけエンハンサーを買うお金があったらもっと効果が別のエフェクターを買ってしまうでしょう( ̄ρ ̄)
ただでもらえたら間違いなく使うんですけど…
ベースのスラッピング補助にいいとは言っても、それならグライコでもいいんじゃないか、って話ですし。
ギターでも同様で、多少効果は変わるかもしれませんが、グライコの汎用性の高さには本当に恐れ入ります。
しかもベースの場合、ベース用のリミッターペダルであるLM-2B Bass LimiterやLMB-2 Bass Limiter Enhancerにエンハンサー機能がついているんですよね。
なお、本機EH-2の使い方やツマミの効果、SENSインジゲーターの働きについては別記事で詳しくまとめています。
ただでさえ効果わかりづらいエフェクターですから、特に試奏時など使い方がわかっていないとエンハンサーの真の実力はわかりません。
っていうか、場合によってはそもそもちゃんとかかっているのかかかっていないのかの判断も難しいレベルかと思います。
EH-2はセッティングよっては原音のみが出る状態もあり得るので。
エンハンサーの購入を検討していてこれから試奏される方は、是非一度チェックしておいてください。
販売期間・スペック・仕様
- 販売期間
- 1990年4月~1998年12月
- 製造国
- 台湾製
- コントロール
- FREQ、SENS、Q
- 接続端子
- INPUT、OUTPUT、ACアダプター
- 消費電流
- 24mA
- 対応アダプター
- PSA-100