9V電池、マンガンとアルカリの違い
エフェクターによく使われる006P型乾電池、通称9V電池にはマンガン電池とアルカリ電池の2種類があるのはみなさんご存じでしょう。
しかし、その二つにはどんな違いがあるのか、どんなエフェクターにどっちのマンガンとアルカリのどちらを使った方がいいのかは案外知らなかったり。
今回はマンガン電池とアルカリ電池の違いとメリット、デメリットについて解説します。
ちなみに、エフェクターに限らずアクティブ回路を搭載したアクティブベースやギター、バッテリー駆動のミニアンプ、モバイルアンプについてもある程度触れます。
ご参考になれば。
アナログエフェクターはマンガン電池、デジタルエフェクターはアルカリ電池
結論から言えば、
- アナログエフェクターなど使用電流量の少ない機器にはマンガン電池(アクティブギター、アクティブベースなどのプリアンプも)
- デジタルエフェクターやマルチエフェクター、電池駆動のミニアンプにはアルカリ電池。
を使った方がいいでしょう。
詳しく解説していきます。
マンガンとアルカリの大きな違いはパワーと長持ち度(価格も)
アルカリ電池の方が容量(電流量)に余裕があり、長持ちする特徴があります。
反面、マンガン電池は価格が安いメリットがある反面、アルカリ電池に比べ寿命が早いデメリットがあります。
「 じゃあ全部アルカリにすればいいじゃん 」と思うことでしょう。
それもある意味では正解です。が。
消費電流の少ないアナログエフェクターにはコスパのいいマンガン電池
実はマンガン電池には「 少ない電流量で休み休み使うと電流量が少し回復する 」特徴があります。
その点を加味してもマンガン電池よりもアルカリ電池の方が長持ちすることがほとんどですが、値段を考えるとマンガン電池で十分なことが多いのです。
AMAZONだとこんな価格。
マンガン電池は1個100円前後で売られていますが、アルカリ電池は1個300円前後と約3倍。
じゃあアルカリ電池の方が3倍長持ちするか、といえばそういうわけでもありません。
なので、さして電池を消費しないアナログタイプのコンパクトエフェクターやアクティブギター・アクティブベースのプリアンプ用にはマンガン電池で十分なのです。
電池を取り換える頻度は若干増えるデメリットはありますが、経済面で考えたらアルカリを使うまでもありません。
もう一つ面白いのが、マンガン電池は使って容量が減ってくると徐々に電圧が落ちてくる特徴がある点。これは本来デメリットなのですが、電圧の変化によって音も変わります。
(良し悪しは別にして。)
特に歪み系のエフェクターの場合普段よりも歪みやすくなったり、常に一定の電圧を供給する電源アダプターとは違ったサウンドを出すことが可能です。
アルカリ電池も電圧が完全に一定ではありませんが、電圧降下はマンガンの方が顕著です。
消費電流が多いデジタル系機器やアンプにはパワーのあるアルカリ電池
アルカリ電池のメリットはなんといっても電圧が安定して長持ちな点。
なので、 消費電流の大きデジタル仕様のコンパクトエフェクター、マルチエフェクター、バッテリー駆動のモバイルアンプなどの機器にはアルカリ電池を使います。
別にマンガン電池でも動かないことはありませんが、電池が瞬殺過ぎて取り換えの頻度が高まり、イライラするだけかと思います。
また、アナログ系のエフェクターとは違いデジタル系の機器は一定の電圧以下になると作動しなくなります。
容量が減ってくると電圧が下がるマンガン電池に対し、アルカリ電池は長く9V電圧を保ってくれる特徴があり、デジタル機器向きといえます。
デジタルディレイなどの機器に安いマンガン電池を使うとライブ1回、レンタルスタジオでの練習、リハ1回、持たないなんてことも十分あり得ます。
なお、大型のミニアンプやマルチエフェクターにもなると角型の9V電池ではなく単3電池などを使う場合もあります。
単3電池や単4電池を使う場合も、アルカリ電池を選ぶとよいでしょう。
(実は単3や単4電池を6本直列につなげれば電圧は9Vになり、9V電池一つよりも電流量も増えるため長持ち)
(そのため、スペースがとれて消費電流の大きいマルチエフェクターやバッテリー駆動のモバイルアンプなんかだと角型9V電池ではなく単3電池を使うことも。豆知識)
アルカリ電池の方が液漏れしやすいので注意
実はマンガン電池よりもアルカリ電池の方が電池の液漏れを起こしやすい弱点があります。
これはマンガン電池のメリットでありアルカリ電池のデメリットでもあるといえます。なので、特にアルカリ電池は長いこと入れっぱなしにしない方が良いでしょう。
また、9V電池にも信頼性の問題がある点は憶えておいてほしいところ。
マンガン、アルカリに関わらず造りが雑だと液漏れを起こす危険があります。
管理人としては9V電池はデュラセルか国産のもの以外はなるべく使わないようにしています。
数十円~数百円をケチって大事なエフェクターをオシャカにしたくはないので……
数年レベルともう使わない、なんて時は電池自体を抜いておくかとよいでしょう。特にアルカリ電池は危険性が高いので注意。
(事故みたいなものなのでどんなに気をつけていても液漏れする時はしますけど)
マンガン電池とアルカリ電池の違いと使い分け まとめ
- アナログのコンパクトエフェクターやアクティブギター、ベースのプリアンプにはマンガン電池で十分。
- デジタルエフェクターやマルチエフェクター、バッテリー駆動のモバイルアンプなど消費電流の大きな機器にはアルカリ電池を使う。
もちろんアナログのエフェクターでも消費電流の大きいものもありますし一概には言えない面もあります。
その辺りは説明書などで消費電流量が何mA(ミリアンペア)かを確認するもよし、色々な電池を試してみるのもよいかと。
余談ですが、ビッグマフはビックリ全然電池を消費しません。
管理人が持ってるラムズヘッドのビッグマフ、電源アダプターのジャックがミニプラグなせいで一度も電源アダプターやパワーサプライは使ったことがありません。
しかし本当にびっくりするほど電池を取り換えたことがない。ネジがゴム足の裏にあるんだかゴム足ごと留めてるんだか足とは関係ないんだか忘れるくらいしてない。
いや、確か筐体開けるんじゃなくて電池ボックスが別にあるんだったかな?本気で電池交換してないから覚えてないレベル。
他にもBOSSのOD-1 OverDriveだとかSD-1 SUPER OverDriveだとか、回路のシンプルな歪み系のエフェクターはホント減らないですね。
同じオーバードライブでもBD-2 Blues Driverのように複雑な回路でガッツリ音作りする系はそれなりに消費電流量大きいんですけど。
話がそれましたが、もちろんエフェクターやプリアンプ、ミニアンプ、モバイルアンプの機種などによっても異なりますので、色々実際に試してみてください。