BD-2W Blues Driver WAZA CRAFT(ブルースドライバー・技クラフト)

BD-2W Blues Driver WAZA CRAFT(ブルースドライバー・技クラフト)

大人気のブルースドライバーをBOSSが本機でセルフモディファイ

BOSS BD-2W BluesDiriver 技クラフト ブルースドライバー イラスト

BD-2 ブルースドライバーのの技クラフトバージョン BD-2W。

本機BD-2W Blues Driverは、BOSSのベストセラーであるBD-2をBOSSが自らモディファイしたオーバードライブペダルです。

BOSSによるセルフモディファイシリーズ「 技クラフト 」第一弾としてSD-1W SUPER OverDrive、DM-2W Delayととも発売されました。

BD-2 Blues Driverは元々すごい人気で、多くのプロも使ったりと発売当初から売れ方が尋常じゃなかったですし、Keeleyなど多くのモディファイメーカーにもモディファイされてきたベストセラー。

(というかそもそもモディファイが流行り始めたのもブルースドライバーのお陰なんじゃないかってレベル)

その内BD-3も出そうだなぁ、なんて思ってる内にMD-2 Mega Distortion以来歪み系ペダルもどんどんデジタルでしか出ないようになって、諦めかけていたのですが。まさかBOSS自らがモディファイしてくるとはちょっと予想外。

モディファイされたカスタムサウンドだけでなく、BD-2のキャラクターをそのまま受け継いだスタンダードモードも搭載し、更には後述するディスクリート回路設計となっている点が大きな特徴です。

ディスクリートによるハイファイ化

本機BD-2Wはディスクリート回路による回路設計となっています。

(BD-2Wに限らず、SD-1WやDM-2Wなど技クラフトシリーズは基本的にすべてディスクリート設計)

ディスクリートとは予め回路が組まれている集積回路パーツ、いわゆるICチップを使わずに作る回路をさします。

ICを使った方が回路設計・製造がかなり簡単にできるメリットがあり、歪み系のペダルでは特にクリップダイオードで歪みを作る前段の信号の増幅の部分でICを使っています。

しかし、ただ増幅するだけの機能を得るにはICチップの内部構成のごく一部だけで済むのに、IC自体が一つのパーツであるため不要な部分だけ回路をカットするなんてことはできません。

そのため、本機BD-2Wではなるべく無駄のない回路になるようICを使わず信号の増幅など必要な機能を得ているのです。

なんともアナログな造り方ですが、ディスクリートの最大のメリットは信号が通る回路から無駄な部分を廃し、音質の向上が見込める点ですね。

ただし、回路的にはスマートとはいっても、本来小さなICチップ一つで済むことをトランジスタやFETなどを駆使しているため、基板の設計・製造上はむしろ手間もパーツ数が増えてしまいます。

なので基本的にはディスクリート回路自体はある程度高品位な機種にしか使われない仕様。BOSSコンでも技クラフトシリーズ以外ではOD-2、OD-2R Turbo OverDriveやPW-2 Power Drive、FZ-3 Fuzzなどごく一部のモデルにしか使われていません。

(こうやってみるとBOSSのディスクリート仕様機は見事にノーヒット機種…大丈夫か技クラフトシリーズ)

回路的に優れているかと言って必ずしも魅力的な音になるとは限らないものなのですが、オリジナルのBD-2と本機BD-2Wを比較してみれば、かなり控えめに言っても弾き手自身が「 ほ~ 」と思うほどの差は出ています。

にしても、ブルースドライバーって元々IC使ってても結構パーツ数多かったはずなんですけど、よくディスクリート化したなぁ、と感心。

1980年代にはもうコンパクトサイズのデジタルディレイを出していたBOSSにかかればこの程度軽いのかもしれませんが、元自作派としては やはりBOSSの開発陣はキチガイ 脱帽としか言いようがありません。

BD-2W 技クラフト Blues Driver レビュー・総評

同時発売で同じく技クラフトシリーズ、そしてオリジナル機種時代からのライバルであるSD-1Wに比べると、やはり若干クセがあるのが本機BD-2W。

広いジャンルの音を出す、足元の機材はなるべくシンプルで済ませたいのであれば、SD-1Wの方が無難かなとは思います。

しかし逆に言えば今どきのサウンドに無難に合わせてきた感の強いSD-1Wに比べ、本機BD-2Wは元々持っていた個性を更に強化させてきた感があります。

実際BD-2Wをカスタムモードに入れるともともと中低音域よりのクセの強かった音に更に中音域の粘りをプラスしてくれます。

BOSS特有のもっさりを脱却してワイドレンジな感じも出して全体的な音質の向上も図ってはいますが、汎用性を追求したというより「 ブルースドライバー 」本来の個性を伸ばしている感じですね。

元々ブルースドライバー自体そこまで万人向けではないオーバードライブ。技クラフトシリーズになってサウンドバリエーションが広がったとはいえ、その辺りの個性までは捨てていないようです。

反対に言えば、いい意味で野暮ったい古いロックサウンドが欲しい方や、元々ブルースドライバーが気に入っている方には強くオススメできるペダルです。

既にオリジナルのブルースドライバーをお持ちの方も、ぜひ一度試して比較してみてほしいですね。

販売期間・スペック・仕様

販売期間
2014年9月30日発売~現行品
製造国
台湾製
コントロール
LEVEL、TONE、GAIN、MODE
MODE
S(スタンダード)、C(カスタム)
接続端子
INPUT、OUTPUT、ACアダプター
消費電流
18mA
対応アダプター
PSA-100

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