実はACA-100なしでもACA対応機種が使えます!
現在ではすでに廃番になっているため新品が手に入らないACAアダプター。
現行品が対応している純正アダプターのPSA-100S2とは全然違うため、ACA対応の機種にはACA-100を使わなければならないのは前回解説した通りです。
(前回の記事はコチラ)
しかし、頑丈なBOSSコン、まだまだ中古市場に古い個体が出回っており、ACA対応のモデルも結構あります。参考までに、BOSSコンのACAモデルは下記の通りです。
BOSSコンACAアダプター対応モデル
- BF-2
- CE-2
- CE-2B
- CE-3
- CS-2
- CS-3
- DF-2
- DM-2
- DS-1
- FT-2
- GE-7
- GE-7B
- HF-2
- HM-2
- LM-2
- NF-2
- OC-2
- OD-1
- OD-2
- PH-1
- PH-2
- SD-1
- SG-1
- SP-1
- TW-1
- VB-2
(一部、のちにPSA対応に仕様変更された機種もあります)
中にはすでに後継機種が出ているものも多いとはいえ、まだまだ現役として使われている人気機種・名機も多く、これらの資産がアダプターがないってだけで現役から退くのは少々もったいないようにも思えます。
そんなわけで、今回は純正アダプターであるACA-100なしでACA対応機種を使う方法について解説します。
ACA対応機種をACAアダプターなしで使う方法
CE-2などACA対応機種をACAアダプターなしで使う手段は3つあります。
- アダプターは諦めて素直に9V電池を使う
- ACA対応機種を改造してPSAなどの平滑回路を持つアダプターに対応させる
- TU-3 Chromatic Tuner や LS-2 Line Selecter などの電源供給機能を使用する
- 12V出力のアダプターを使用する
3つじゃなくて4つじゃねーかって感じですけど、電池を使えばいいなんてのは論外として、残る3つの方法について解説しましょう。
ACA対応機種を改造してPSAを使えるようにする
まず最初の方法が、ACA対応機種を改造してPSAや汎用の9Vアダプターしまえばいいんだ!っなもの。
改造といってもそこまで難しいものではなく、はんだ工作が得意な方やエフェクターの自作経験がある方ならすぐにできるレベル。
単純に、エフェクターの基板上の平滑回路(リップルの安定回路)をジャンパー線などでスルーさせるだけで済みます。
具体的にどことどこをつなぐかはモデルによって異なりますが、エフェクターの改造などで有名な松美庵さんに解説がありますので詳しくはそちらをご覧いただければと思います。
ただ、せっかく貴重なビンテージペダルなのに改造してしまうと価値が下がってしまう可能性もあります。
故障する可能性もゼロではありませんし、管理人個人的には基板に手をくわえることはあまりオススメしません。
12V出力のアダプターを使用する
ACAアダプター自体はもともと、対応機種内部の安定回路によってリップルごと削りとることで直流9Vになるよう設計されていました。
そのためACAアダプターの出力自体は9Vよりも高めで、実際に測定すると12V前後となっています。(個体差あり)
そして、世にあふれるエフェクターの中には9Vではなく12V電源を使うモデルがあり、12Vのアダプター自体は普通に販売されています。
ACA-100はセンターマイナスなので、センターマイナス12Vの電源アダプターであれば問題なく動作するでしょう。
(恐らく、多分…)
ただし、少なくともセンターマイナスである点だけ確認してから使いましょう。
今どきのエフェクター用のアダプターでセンターマイナスでないものはあまり一般的ではありませんが、万一間違ってセンタープラスを使ってしまうと最悪電源部が故障してしまう可能性もあります。
き、貴重なビンテージBOSSコンが…
唯一の公式代替手段 TU-3などの電源供給機能を利用する
TU-3 Chromatic Tuner や LS-2 Line SelecterなどからDCケーブルを使えば、ACA対応機種にも電源を供給してやることが可能です。
画像の通り、電源供給を行うエフェクターには必ずギターの信号が通っている必要があるなど多少制約はあります。
なのでギターの信号とは関係なくただパワーサプライ的に使うというわけにはいきません。しかし実はこの方法が一番安心で確実です。
なぜならこれがBOSSが公式でアナウンスしている唯一のACA-100の代替方法だからです。
ここまで改造だとか12Vの電源アダプターを使うだとか紹介しておいてなんですが、管理人的にはあまりオススメしません。
素人が下手に基板に手を加えたら故障の可能性も高まりますし、ビンテージとしての価値を損なうことになりかねません。12Vアダプターの方も過電圧になる危険性もあり、なかなか怖い。
ソリッドステートのエフェクターやアンプが壊れるのってほとんどは電源周りだったり。
そんなところにBOSSからしてもアダプター側からしても非純正ですし、回路の設計思想が違うアダプターを突っ込むのってどんな危険が潜んでいるかわかったものではありません。
(汎用のアダプターにしたって再度平滑回路にかけられることは想定していないでしょうし)
予期しない回路が形成されて故障でもしたらもう手に入らない貴重なBOSSコンを失うことになりかねない……
かといって電源供給機能のあるペダルをお持ちでない方は「 そのためだけに使うかわからんエフェクターをセッティングに増やすのはなぁ 」と思う方もいらっしゃるでしょう。
そんな方にオススメなのがペダルチューナーのTU-3。
BOSSのコンパクトエフェクターは前期バッファードバイパスなのでつないでおくだけで恩恵がありますし、チューニングは毎回絶対するんだから飽きて使わなくなるなんてこともないですし。
バッファードバイパスによる恩恵・メリットについては下記リンクよりどうぞ(姉妹サイトのなる楽器が開きます)
なお、管理人自身は実際に試したことはあまりせんが、同様に9VのパワーサプライにACA機と通常の9Vエフェクターと並列につなげ、双方がシールドでつながっていればOKとか。
どなたか試したことがある方は情報のほどよろしくお願いします!
ACA-100なしでACAアダプター対応エフェクターを使う方法 まとめ
- ACA-100を持っていない場合、電池を使う以外でACAの電源をとる方法は3つある。
- PSAアダプターや汎用アダプターなどACA-100以外で電源がとれるようにエフェクター本体を改造する。
- ACA-100の出力電圧に近い12Vのアダプターを使用する(必ずセンターマイナスのものを使うこと!)。
- TU-3など電源供給機能を持つ機種から電源を供給する(唯一の公式の方法でオススメ)。
繰り返しにはなりますが、BOSSとしてはBOSSコンの電源供給機能以外の方法は推奨しておりません。
電源周りは回路全体に与える影響が非常に大きく、扱う電圧・電流量が最も大きい場所で、エフェクターの故障は電源が原因になることがほとんど。
そんなことろに推奨されていない方法をとること自体、かなりリスキーです。管理人自身、普通に道具としてエフェクターを扱うのであればそこまで気にしないのですが、今ではACA-100を使うエフェクターってそれなりに価値のあるものが多いです。
OD-1が壊れようもんなら凹むなんてもんじゃないでしょうね。
改造する場合でも12Vのアダプターを使う場合でも、そういったリスクがある点は考慮しておきましょう。