BOSS初のフェイザーPH-1の改良モデル
PH-1R PhaserはBOSS初のフェイザーであるPH-1 PhaserにRESコントロールを追加し、より実用性を増した改良モデルです。
RESとはレゾナンス(RESONANCE)を意味し、新たに組み込んでフィードバック回路のフィードバック量をコントロールするツマミです。
フィードバック回路の前後にアンプも組む必要もあり、またフィードバック量によっては発振する危険もあったため、ただツマミを追加しただけでなく回路の中身もPH-1から結構変更されています。
当時流行っていたt.c.electronicなど他社のフェイザーを強く意識して設計したと開発陣も語っており、色々苦心したものと推察されます。
PH-1RのRはRESONANCEから来ています。
型番にRが付くのはこのPH-1RとオーバードライブのOD-2R TURBO OverDriveくらいだったかな。
OD-2RはREMOTEのRだから意味は違いますけどね。
PH-1R フェイザーのサウンドキャラクター
PH-1からPH-1Rになってフェイザー回路の段数自体は変わっておらず4段で据え置き。
しかし、新たに追加されたレゾナンスコントロールにより、かなりアクが強くドギツイフェイザーサウンドも出せるようになりました。
ベースとなったPH-1があっさり塩ラーメン風味だとしたらPH-1Rはとんこつ風味って感じ。それでいて各ツマミの調整次第であっさりとしたサウンドも出せます。
(ちなみに管理人は油マシマシが好きなギトギト野郎です)
RATEとDEPTHツマミをMINにした状態ではフィルターが止まり、固定フェイザーとしても使えます。
改良機種なだけあってより実践的な機種になったといえます。
RATEによる揺れのスピードはPH-1と同じで、最も遅い左に回し切った状態で16sec / 右に回し切った最速で100msです(16秒 / 0.1秒)。
PH-1R Phaser 総評・レビュー
基本的には改良版とはいえ、RESつまみが増えたことで音の幅も広がり、必要な機能が一通り揃ってフェイザーとして完成したって印象です。
しかし、ここで満足するBOSSではなかった…
この後BOSSのフェイザーは新機能を搭載・更に使い勝手をよくしながら、PH-2、PH-3と順当に進化を続けていきます。
特にビンテージエフェクターにこだわりがないのであれば中古でPH-1Rを探すよりも、現行機種のPH-3の方が良いかと。
ビンテージって言葉とシンプルさに惹かれてしまうのが漢の性ってもんですけどね…
販売期間・スペック・仕様
- 販売期間
- 1980年10~1985年5月
- 製造国
- 日本製
- コントロール
- DEPTH、RATE、RES
- 接続端子
- INPUT、OUTPUT、ACアダプター
- 消費電流
- 11mA
- 対応アダプター
- ACA-100