SD-1W SUPER Overdrive WAZA CRAFT(スーパーオーバードライブ・技クラフト)

SD-1W SUPER Overdrive WAZA CRAFT(スーパーオーバードライブ・技クラフト)

名機スーパーオーバードライブをセルフモディファイしたSD-1W

BOSS SD-1W SUPER OverDrive 技クラフト スーパーオーバードライブ イラスト

BOSSが満を持して発表した技クラフトシリーズ第一弾の一つ、SD-1W。

本機SD-1W SUPER OverDriveはオーバードライブで名機SD-1をBOSS自らモディファイした技クラフトシリーズの第一弾です。

BOSSコンパクトエフェクターのモディファイはKeeLeyのBD-2を筆頭に他社からもたくさん出ておりましたが、ついにBOSSが自ら超ロングセラーの人気機種をモディファイしてきました。

「 日本で厳しく検品 」とか「 パーツ単位で厳選 」とか普通ならただの売り文句って思うところですが、BOSSが言うとそこまでウソっぽく聴こえないのがスゴイ。本気で徹底的にやってそうな気もしてきます。

ちなみに本機SD-1Wのほかに、BD-2W Blues Driver、DM-2W Delayが技クラフトシリーズ第一弾として同時発表・同時発売されています。

いやぁ、最初はペダルのラバー部分の「 技 – WAZA CRAFT – 」の刻印は正直ちょっとダサくない?とか思いつつも、BD-2とSD-1大好きな管理人、このラインナップだけでもう嬉しさいっぱいですね。

なお、SD-1Wのもう一つの特徴というかSD-1との違いであるディスクリート回路ですが、本記事がかなり長くなってしまったので次回のBD-2Wの記事に持ち越します。

SD-1WとSD-1の最大の違い モードスイッチ

通常のSD-1と本機SD-1Wの最大の違いはスタンダードモード(S)とカスタムモード(C)を切り替えられる点。

(SD-1とSD-1Wに限らず他の技クラフトシリーズ全般にいえることなんですけど)

いうまでもなく、スタンダードモードは従来のSD-1のサウンドで、カスタムモードは技クラフトシリーズオリジナルのサウンドを出せるモード。

BOSSコンでは今までもいくつか切り替えスイッチの類が採用されこのタイプのスイッチが採用されるのは初めてですね。

スイッチのツマミに高さがないタイプのスライドスイッチで、3つツマミの中央、レベルノブとドライブノブにはさまれる形で配置。

BOSS_技クラフトシリーズ_SD-1W_スーパーオーバードライブのモード切替スイッチ

SD-1Wのモード切替スイッチ。

この配置じゃツマミに触れてセッティングを変えてしまいかねないし、演奏中に切り替えるのは現実的にちょっと無理がありますよね。

キーリーのような高さのあるトグル型のミニスイッチならまだ演奏中でも操作できるかも、ってレベルなんですが…

FP-5Lなど外部スイッチで切り替える機能もありませんし、BOSSとしては演奏中にモードを切り替えるような使い方は想定していないということなのでしょう。

SD-1W スタンダードモード、カスタムモードそれぞれの音

スタンダードモードはどことなくサウンド全体が高品位になった感もありますが、基本的にはSD-1のキャラクターそのまま。

(高品位になった気がするのがディスクリートによる作用なのか個体差なのか気のせいなのか管理人には判断つきませんでした…)

一方のカスタムモードはサウンドが全体的にブラッシュアップされているのがすぐにわかるレベル

「 レンジを広げた 」と公称しているだけあって低音側も音が抵抗なくスッと前に出て、高音域は従来よりも更に煌びやかで伸びのあるサウンドに。

特にSD-1の弱点だったとも言える低音域がよく出るようになった点と、ゲインのレンジも広がってより歪みに深さが出たのがGOOD。悪い意味でのクセっぽさがかなり抑えられて使いやすくなっています。

ブースターとしての優秀さも相変わらずで、アンプや他ペダルの歪みを艶やかに盛り上げるのにも役立ちます。アナログの歪みペダルでありながらのノイズの目立たなさはさすがディスクリート回路ってところですね。

久しぶりのアナログペダルとはいえさすがは本家BOSSのオーバードライブで、しかも完全新作ではなく超ロングセラー名機の改良版。従来のSD-1以上に実践的で、足元にあると更に頼もしいオーバードライブになりました。

BD-2Wなど他のオーバードライブとSD-1Wとの比較

今BOSSの中にはオーバードライブはかなりの数ありますが、アナログ機種の中では本機SD-1WとBD-2Wが最も魅力的なのが現状なのではないかと。

ディスクリート回路&ハンドワイヤリングなんてアナログエフェクターこだわりの二大巨塔は押さえていますし、スイッチ切り替えによるサウンドバリエーションでOD-3や本家SD-1を大きく突き放しています。

そのBD-2Wとどちらが音がいいか、なんて野暮な質問はちょっとおいておいて、色々な場面で使える汎用性としては本機SD-1Wの方に軍配が上がるでしょう。

(野暮な質問っていうか、管理人自身がスーパーオーバードライブもブルースドライバーもどちらも好きなのでなんとも決めかねる質問です)

他のペダルと比べても、今やOD-3やSD-1ではいささか古く感じることもあるでしょうし、かと言ってデシタル機種のOD-1Xはアナログペダルの追っかけの段階はもう飛び越してかなり新しいタイプのオーバードライブになっています。

本機SD-1Wはその間で非常にバランスのとれた、まさに今どきのギタリストのツボをついた優秀なオーバードライブペダルといえるでしょう。

SD-1W 技クラフト スーパーオーバードライブ レビュー・総評

にしてもこの技クラフトシリーズが発売されるまで、ずいぶん長いこと歪みエフェクターも含めてずっとデジタル機種ばかり続いてましたね。

(ちなみに技クラフトシリーズが出るまで、2001年に発売されたMD-2 Mega Distortionを最後に実に15年間アナログ機種は出ていません)

なのでアナログペダルのシリーズが出ると聞き当時は結構驚きました。

さすがに完全にデジタル機種に移行しないでほしい思っていましたが、BOSS、まさかこのような形で叶えてくれるとは。

アナログでできることはほぼやりつくしたし、今後スタンダードモデルはデジタルに移行し、アナログにこだわる人には今まで出してきた名機をハンドワイヤリング&ディスクリートにこだわった高品位ペダルとして供給していこう、というBOSSの戦略が垣間見えます。

中でも本機SD-1Wは、SD-1が築いた「 スーパーオーバードライブ 」の枠を超えて、今の音楽シーンでも無理なく使える新しいアナログオーバードライブといえるでしょう。

通常のアナログペダルに比べれば技クラフトシリーズであるSD-1Wは若干高くはなりますが、その優秀さとサウンドバリエーション、そして他のモディファイペダルに比べれは、むしろコストパフォーマンスの高い選択なのではないかと思います。

販売期間・スペック・仕様

販売期間
2014年9月30日発売~現行品
製造国
台湾製
コントロール
LEVEL、TONE、DRIVE、MODE
MODE
S(スタンダード)、C(カスタム)
接続端子
INPUT、OUTPUT、ACアダプター
消費電流
15mA
対応アダプター
PSA-100

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