AC-2 Acoustic simulator(アコースティックシミュレーター)

AC-2 Acoustic simulator(アコースティックシミュレーター)

エレキギターをアコギの音に変換する画期的ペダル AC-2

アコースティックシミュレーターは、エレキギターでアコースティックギターの音を出せる画期的なエフェクターです。

もともとアコースティックシミュレーターの機能自体はRolandが開発しているギターシンセシステム V-Guitar SystemのVG-8をについていた機能。

これをコンパクトエフェクターとして発売したのが、本機AC-2 アコースティックシミュレーターなのです。

実はアナログでBOSSコンパクト史上最多のパーツ数

とは言っても、デジタル技術でアコースティックギターの音を出すVG-8に対し、本機AC-2は完全にアナログ設計でエレキギターの音をアコースティックギターの音に変換しています。

実はフィルターを重ねまくって音を造っているだけ。

いうなれば、エレキギターアコギっぽい音にするためのイコライザーがたくさん入っているようなイメージ。

何も斬新・特殊な技術は使わずではなく、ただそれだけです。

そのためパーツの数はBOSSコンパクトエフェクター史上最多とも言われており、あのコンパクトな筐体にICだけでも20個以上収められています。

これだけの数のフィルターを意図した方向にコントロールして、しかもこれだけのパーツをあの筐体に収めたこと自体が尋常でないですけど…

ある意味力技です。回路図を見たこともありますが、自作するのがバカらしくなって手をつけていません。

素人が手づくりしようと思ったら筐体も巨大になりそうだし、パーツも普通のエフェクターの数倍は揃えないとだし、買った方が断然早いエフェクターの一つと言えるでしょう。

AC-2の4つのモードツマミとモデルの音

アコースティックシミュレーターには STANDARD / JUMBO / ENHACE / PIEZO の4つのモードがあります。

この辺のモデル等についてあまり情報がないので、それぞれ音やらモデルになったアコギをご紹介しますと…

STANDARD(スタンダード)

取扱説明書には ” 普通のアコースティック・ギターの音色です ” とざっくりした説明しかありません。

そりゃモードの名前見ればわかるわい!

実はスタンダードモードはマーチンのドレッドノートタイプの音を再現したモード

バンドや弾き語りなどのバックにアコギの音を出したい時は、無難にこのスタンダードモードがいいでしょうね。

JUMBO(ジャンボ)

ジャンボモードはその名の通り、ジャンボシリーズを擁するギブソン社のアコギのサウンドをシミュレートした音です。

取扱説明書によると ” スタンダードよりボディーが大きいアコースティック・ギターの音色で、低域に迫力のある音色です “ とのこと。

ジャンボとは言ってもJ-45とかSouthern Jumbo(サザンジャンボ)とかではなく、J-200辺りの音をモデルにしてるんでしょうね。

スタンダードモードでは低音が物足りない時に使うとよいでしょう。

ENHANCE(エンハンス)

” スタンダードよりアタック感のある音色で、バンド・アンサンブルなどで他の楽器に埋もれない音色です ” とのこと。(取扱説明書より)

要は高域を強調して他の楽器の音の埋もれないようにしてくれるモードですね。

コンパクトエフェクターのEH-2 ENHANCERをかけたのと似た効果です。

伴奏つきでソロギターを弾く時に使ったり、バンドの中で音がどうしても埋もれちゃうって時にいいですね。

「 アコギの音だけどこっそり目立っちゃえ! 」ってな時もいいでしょう。

PIEZO(ピエゾ)

ピエゾピックアップで拾ったエレアコの音をシミュレートしたモードです。

ちょっと硬質なサウンドとエレアコ特有のアタックの頭が潰れちゃう音も見事に再現

取扱説明書上では

” エレアコのギターに取り付けられているピックアップの音色をシミュレーションしています。アタック時に軽くコンプレッサーがかかったような音色です ”

とのこと。

実際にはオベーションの音をモデルにしています。

その他のツマミの働き

  • LEVEL(レベル):アコースティックシミュレーターがオンの時の音量を調整。AC-2 オン / オフ時の音量差を補正します。
  • BODY(ボディー):アコギ胴体の音の共鳴や響きをシミュレートするツマミ。アコギらしい音の厚みと柔らかさを調整できます。
  • TOP(トップ):高音域の音を整えるイコライザーです。倍音の出方やアタック感を調整できます。

AC-2 アコースティックシミュレーター レビュー・総評

BOSSの開発能力もさることながら、あれだけのパーツをあのコンパクトサイズの筐体に詰め込む技術力はさすが

モードツマミはなくても誰も文句言わなかったんじゃないかと思いますけど、その辺の手を抜かないのがBOSS。

その姿勢のお陰でAC-2は名機と謳われ、BOSSの想定以上のヒット作に。

しかし残念ながらアコースティックシミュレーターとしては後継機種のAC-3が出ており、本機AC-2はもう新品で手に入れることはできません。

それでも名機として名高かったこと+アナログ設計でまだまだ中古市場でも人気のあるBOSSコンの一つです。

(後続のAC-3はデジタル設計)

コレクション目的でなく、デジタルというところに抵抗がなければリバーブもついたAC-3の方がお買い得感はあります。

しかしBOSS好きとしては、やはり一度はAC-2底面のネジをはずして中の基板を見て頂きたいもの。

たくさんのパーツズラリと並ぶさまはなかなか壮観です。

特にエフェクターを自作なさっている方には一度開けてご覧になることを強くオススメします。

BOSS
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販売期間・スペック・仕様

販売期間
1997年2月~2006年1月
製造国
台湾製
コントロール
LEVEL、BODY、TOP、MODE
MODE
STANDARD、PIEZO、ENHANCE、JUMBO
接続端子
INPUT、OUTPUT、ACアダプター
消費電流
18mA
対応アダプター
PSA-100

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